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ひな壇に立地

「ひな壇」とは「階段状になった造成地」のこと
物件情報を見ていると、「ひな壇に立地」と書かれているものがあります。ひな壇は本来「雛祭りに雛人形や調度品などを並べて飾る壇」のことですが、ここで言うひな壇は「階段状になった造成地」のことです。これは、造成地の形状が雛人形を飾る壇に似ているから。「ひな壇に立地」と言えば、「階段状になった造成地に立地している」ということです。言い換えれば、道路や隣の土地との間に高低差があるのがひな壇の土地、ということになります。
「ひな壇」のデメリット
ひな壇の土地にはいくつかデメリットがあります。まず、地盤が弱く、地盤改良工事費用が高額になりがちなこと。ひな壇の土地は切り土・盛り土で形成されているので地盤が弱いケースが多いのです。地盤が弱ければ長い杭がたくさん必要になり、工事費用が高くなります。クレーンで吊り上げないと重機を搬入できないケースもあります。
通常の車庫が作りにくく、外構工事費用が高くなるのもデメリットです。堀り込み車庫(ボックスガレージ)を作れば費用が高くなりますし、擁壁(宅地の土砂が崩壊するのを防ぐ壁)・階段・手すりなど、必要な外構が多いのもデメリットとなります。
生活面では、ポストの設置が問題になります。道路と高低差がある場合、道路から玄関までの間に階段を作らねばなりません。ポストを階段下に作れば距離が長くなって雨の時郵便物を取りに行くのが面倒ですし、階段上に作れば配達に来た人達が玄関前まで入ってくることになります。また、階段があるということは、老後の生活には不向きだとも言えます。
「ひな壇」のメリット
ひな壇の土地ならではのメリットもあります。まず、日当たりや風通しが良いケースが多いこと。高い場所や角地であれば、眺望が良くなる可能性もあります。それでいて平地の土地と比べて価格設定が安いことが多いのも魅力の一つです。
ひな壇の土地は周りより地面が高くなるので、プライバシーが守られやすいというメリットもあります。また、道路から住宅までの距離が長くなるので留守かどうかがわかりづらく、防犯上の効果も期待できます。
堀り込み車庫を作ると費用がかかりますが、堀り込み車庫にはカーポートが必要なく、敷地を有効に使えるといったメリットもあります。ひな壇の土地では道路との高低差を利用して堀り込み車庫が作りやすくなります。
生活面では、ひな壇の土地だと階段が必要になるので、運動量が自然に増えるというメリットがあります。また、個人の嗜好もありますが、擁壁などの外構によって外観が整いやすいという利点もあります。