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非常用蓄電器

停電時の強い味方
現代においては、停電の害は以前より大きくなっているのではないかと思います。マイコン制御の給湯器を使っていれば停電によってお湯が出なくなりますし、パソコンや固定電話、テレビなども使えなくなります。仕事でパソコンを使わない職場もあまりないでしょうから、事業の継続が困難になる恐れも出てきます。特に東日本大震災以降は電力供給が不安定になり、停電や電力不足がより一層の深刻さを持って捉えられるようになりました。このような状況の中で注目されるようになったのが非常用蓄電器です。

様々なタイプの蓄電池がある

家庭用の蓄電池には様々な種類があります。例えば持ち運び可能なタイプであれば、充電方法も多彩。ACアダプタ(コンセント)からだけでなく、車のシガーソケットやソーラーパワーで充電できるモデルもあります。防災グッズとしてだけでなく、車中泊やキャンプなどでも使える汎用性が特徴です。安いものでは1万円台からありますが、容量が少ない場合があります。逆に容量が小さくても急速充電が可能なモデルや、スマホやタブレットで使用することを想定してUSBポートが設けられているものも販売されています。

防災のことを考えると大容量の蓄電池が一つあった方が良さそうが、家族それぞれが充電することを考えると小さな蓄電池を複数準備しておいた方が使い勝手が良いかもしれません。

家庭用蓄電池には商用電源と電化製品の間に設置するタイプもあります。商用電源が遮断されると自動的にバッテリー電源に切り替わって電力供給を継続し、商用電源が復帰するとまた自動的に切り替わって、消費されたバッテリーを充電します。

業務用の大型蓄電池になると、高出力・大容量のものが揃っています。やはり普段は商用電源を使用し、非常時には蓄電池に自動で切り替わるタイプが主流のようです。業務用の大型蓄電池は複数のノートパソコンやスマホなどを10時間前後使えるなど、長時間の停電にも対応できます。

ちなみに蓄電池とよく似た装置にUPS(無停電電源装置)がありますが、蓄電池が非常時に長時間利用することを想定した電源であるのに対し、UPSとは停電すると問題が生じるコンピューターや通信・防災装置などをあらかじめ接続しておくことで電気の瞬断・瞬時電圧低下を防ぐ機械のことです。UPSであれば給電が途切れることはありませんが蓄電できる容量が小さいので、蓄電池のように長時間は使えません。

蓄電池を選ぶ時は使用する機器のワット数と想定される使用時間を乗算し、それに合った定格出力(蓄電池が一度に出力可能な電力)のものを用意する必要があります。蓄電容量が大きくても定格出力は小さい蓄電池もあるので、注意が必要です。