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SRC

鉄筋コンクリートを鉄骨で補強
SRCとは、鉄骨鉄筋コンクリート造のこと。「Steel Reinforced Concrete」の頭文字をつなげた略称です。
SRCは鉄筋コンクリートに鉄骨を内蔵させたもので、断面がある程度小さくても強く粘り強い骨組みを作ることができます。そのため10階建て以上の高層建築物に多用される建築構造となっていますが、近年では高強度のコンクリートが開発されたことから、RC(鉄筋コンクリート造)が高層建築に用いられることも増えています。
ちなみに「鉄筋」と「鉄骨」にもそれぞれいくつかの種類があります。

〈鉄筋〉
・異形棒鋼…表面に突起が付けられたもの
・丸鋼…断面が円形になっているもの

鉄筋は棒状の鋼で、引張力に弱いコンクリートを補強する目的で使われます。突起があるほうがコンクリートに対する付着性が高いので、現在では主に異形棒鋼が建設・土木工事に使われています。JISでは異形棒鋼で5種類、丸鋼で2種類の材料を規定しています。

〈鉄骨〉
・厚さによる分類/重量鉄骨、軽量鉄骨
・断面形状による分類/H形鋼、I形鋼、山形鋼(断面がL形)、溝形鋼(断面がコの字形)、角形鋼管、円形鋼管

なお、鉄骨の接合法には主にボルトと溶接が使われています。
SRCとRCの比較
RCと比べるとSRCは、

・鉄骨を大量に配置することで柱や梁の断面を小さくすることができるので、居住面積を広く取れる
・鉄骨と鉄筋を組み合わせることで変形しにくくなり耐震性が高まる
・鉄骨をコンクリートで囲むので錆に強くなる

といったメリットがあります。デメリットとしては、

・工程が増えるため工事が長期化する。その分、建築コストも高くなる
・RCと比べると鉄筋と鉄骨を使うことで設計上の制約が大きくなる

といった点が挙げられます。これらのデメリットは、先に述べたように高層建築に高強度コンクリートを用いることでRCを採用することが増える要因となっています。
なお、防音性・耐久性についてはSRCでもRCでもあまり変わらないと言う見方もあります。防音性に関わるのは構造よりも壁の材質や部屋の造りであり、耐久性は使われるコンクリートの質に左右されるからです。SRCであっても間仕切りの壁が薄ければ音が漏れやすくなりますし、コンクリートの質が低ければ鉄筋・鉄骨が錆びやすくなり、耐久性能は落ちてしまうというわけです。