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SI
SI
内と外を分離する建築構造
SIとはスケルトン・インフィルの略称です。SIは建物の構造や工法の一種。スケルトンとは建物の柱や梁などの構造躯体、集合住宅であれば共用設備のこと、インフィルとは住戸内の間取りや内装・設備、集合住宅であれば専有部分の間取りや内装・設備のことです。通常、これらは土台の上で同時に造っていきます。そのため内装部分に柱や梁が飛び出た造りになったり、電気配線や給排水設備が複雑に入り組んでいることがあります。SIではスケルトンとインフィルを分離した造りにします。
スケルトン部分には「耐久性が高い」という特徴があります。例えば内装が傷んだからといって、同じ期間で柱や梁がボロボロになることはありません。一方、インフィル部分は耐久性ではスケルトンに及びませんが、「可変性」「柔軟性」が求められます。しかし、例えばライフスタイルの変化に応じて間取りや内装を変えたいと思っても、通常の構造の家では思うようにならないことがあります。SIでは、スケルトンとインフィルを別々に造ることでインフィルの間取り変更や内装設備の更新・リフォームを行うことを容易にしています。
また、SIは分譲住宅でも購入者が大きなメリットを感じられます。通常の分譲住宅では同じタイプの家の間取りはどれも同じですが、SIにすれば外側は同じでも内装などは希望に応じて変えることができるからです。また、電気配線や給排水設備も躯体部分と分離するため、二重天井・二重床になっており、通常の構造よりも耐久性が高く、メンテナンスがしやすくなります。
集合住宅にも採用されるようになったSI
集合住宅では、建物の構造躯体を分譲して住戸内の間取りや内装・設備は買った人が自由に決められる方式のことをスケルトン方式と呼んでいます。共用部分(スケルトン)と専有部分(インフィル)を分離することで、集合住宅であっても生活様式の多様化に対応することができます。
日本では2000年代前半頃から主に分譲マンションにおいてSIが取り入れられるようになりました。最近では「木造スケルトン住宅」なども登場していますが、1990年代以前は日本でSIは普及していなかったと言います。
SIのデメリット
SIのデメリットとしては建築コストが挙げられます。高耐久の建物を実現するにはやはりそれだけコストがかかります。また、内装・設備を変更する際にもコストがかかりますが、建替えよりは安くて済みます。ただしそのことをメリットと感じられるのは、ライフスタイルや生活様式が変化して内装などを変えたくなったとき。ずっと未来のことになります。