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NOI

事業によって生み出すキャッシュフロー
NOIは「Net Operating Income」の略。「営業純収益」という意味です。
純収益とは、不動産によって得た収入(賃料)から経費(管理費や固定資産税、空室による損失など)を引いたキャッシュフローのことです。支出を伴わない減価償却費、支払利息、資本的な支出(資産価値を高める、あるいは資産の耐久性を増すための支出)は控除しません。つまり実際に支払ったお金だけを計算するのです。このためNOIは事業によって生み出される単純なキャッシュフロー=純粋な収益ということになります。
より現実に近い収益力を測る
投資用不動産の想定収入を出すときには「満室賃料」が用いられます。文字通り、その物件が満室になった場合の賃料です。
さらに、投資用不動産の収益力は「表面利回り」で出されますが、これは「満室賃料」を不動産価格で割った数値です。
かつてのように借り手が多くいて売り手市場だったときは満室賃料・表面利回りを利用してもさほど問題はなかったのでしょうが、最近の賃貸経営は運営コストが増大したり、空室リスクが増してきています。そこで注目されるようになったのがNOIです。
NOIはプロが不動産物件の実力を測るときに使っている目安の一つです。先述したとおり、NOIは満室賃料から経費を差し引いたもので、いわば手取り額。そしてNOIを不動産価格で割ればNOI利回りを算出することができます。もちろん新築の場合は空室リスクなどは予想するしかありませんが、そうでなければかなり当てになる数値と言えます。ちなみにNOIは「想定利回り」「純利回り」と呼ばれることもあり、「実質利回り」と同一視されることもあります。なお、NOIは資本的支出などを計算に入れないと述べましたが、NOIからさらに資本的な支出も差し引いたものはNCF(Net Cash Flow)と呼ばれます。銀行などが融資を審査する際はNCFも重視されています。
便利な「NOI率」
満室になった場合の想定賃料に対するNOIの割合を「NOI率」と呼びます。NOI率がわかっていれば、満室賃料や表面利回りから簡単にNOIやNOI利回りを算出することができます。

・満室賃料 × NOI率 = NOI
・表面利回り × NOI率 = NOI利回り

投資家から見れば、NOI率が明らかになった物件は「見える化」がなされた吟味しやすいものと映るでしょう。最近では全国の賃貸物件に対するNOI率調査を行う「全国賃貸住宅実態調査」も進められています。