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NAV

純資産総額の略称
NAV(なぶ)とはNet Asset Valueの略称で、投資信託の「純資産総額」のこと。REIT(不動産投資信託)ではNAVを投資口数で割った価額が一口当たりの純資産価額(NAV)となります(REITにおいては不動産物件の簿価と鑑定評価額の差額に当たる含み損益を純資産に加えた額を指すこともあります。その場合はこの額を投資口数で割った額が一口当たりNAVになります)。
NAVは投資信託の賃借対照表=バランスシートの「資産」から「負債」を差し引いた額となり、それを単位口数に換算すると基準価額になります。
REITでは投資口価格(REITの市場価格)を一口当たりNAVで割ったものが株式のPBR(株価純資産倍率)に相当します。PBRは投資口価格が割安か割高かを判断する参考値になっています。また、1口あたりのNAV(NAV÷発行口数)に対し、投資口価格が何倍であるかを示したものをNAV倍率と呼びます。NAV倍率は時価 = そのとき売ったらいくらになるのかを示すのに対し、PBRは簿価 = 帳簿上でいくらになるのかを示すという違いがあります。
ETFのNAV
ETF(Exchange Traded Funds = 日経平均株価や東証株価指数等の動きに連動する上場投資信託)においては、NAVは推定純資産価格のことを意味します。ETFはREIT同様、証券取引所で株と同じように売買されますし、ETFの投資対象である株式などは時価が刻々と変動します。ETFの売買価格も日中変動を続けています。このため投資家はインディカティブNAVを利用して現在の市場価格が割安か割高かを判断する目安とします。
インディカティブNAVとは「推定一口当たり純資産価格」のことで、「取引時間中のETFの基準価格の推定値」。ETFの市場価格がリアルタイム理論値であるインディカティブNAVと乖離していれば投資家は割安・割高を判断でき、効率的な投資につなげることが可能になります。

・インディカティブNAV<市場価格の場合:プレミアム状態
・インディカティブNAV>市場価格の場合:ディスカウント状態

なお、ETFには3つの価格があります。

・基準価格(正式には基準価額)…1日1回開示される、ETFが保有する資産などを前日終値に基づき算出した価格。NAVと同義
・市場価格…リアルタイムで変動する市場で取引する際の価格
・インディカティブNAV…取引時間中に把握できる、ETFが保有する資産などを現在値に基づいて算出した価格