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MLS

不動産仲介業者に対する情報サービス
MLSとは「Multiple Listing Service」の略称。不動産仲介業者に対して不動産の売り情報をリスト化して共有し、取引を支援する仕組みのことを言います。
MLSはアメリカで発展した不動産仲介業者に対するサービスです。原型は古くからある業者間での情報共有ですが、情報通信技術の発達により高度なサービスが可能になりました。 MLSでは、売買や賃貸借の注文を受けた仲介人がグループ内で情報を共有。情報は物件の価値を評価できるものとなっており、そのリストは資格を持つ業者に対して広く公開されます。すると他の仲介人がその注文の取引相手を見つけ出し、紹介するのです。MLSはこのように仲介業者のネットワークを介して迅速かつ広範に取引を実現する仕組みになっています。また、仲介業者グループは同一の倫理規定などを遵守するので、取引の秩序を保つことにも役立ちます。
一般に流布される広告とは異なり、MLSは仲介人という専門家集団が情報を共有し取引の成立のために共同で努力する仕組みであり、不動産流通の市場機能を充実・発展させる仕組みとして評価されています。
日本では「レインズ」として発展
MLSの解説を読んで「こういう仕組みは日本にもあるのではないだろうか?」と思った方もいるのではないかと思います。実はMLSの考え方は日本にも導入されており、1980年代の後半に「流通機構」として整備され、さらに「指定流通機構」へと発展しました。 指定流通機構とは、宅地建物取引業法第50条の2の5に規定されている公益法人のことで、宅地建物取引業者間で不動産情報を交換するための組織。全国では4つの公益法人が指定流通機構として指定されています。

1.公益財団法人東日本不動産流通機構(東日本レインズ)
2.公益社団法人中部圏不動産流通機構(中部圏レインズ)
3.公益社団法人近畿圏不動産流通機構(近畿圏レインズ)
4.公益社団法人西日本不動産流通機構(西日本レインズ)

指定流通機構は通称「レインズ(REINS)」と呼ばれています。「REINS」は「Real Estate Information Network System=不動産流通標準情報システム」の頭文字を取ったもので、コンピューターネットワークシステムのことですが、組織の通称にもなっています。
レインズでは、コンピューターネットワークシステムを使った不動産情報の交換、成約情報の集約、取引情報の提供などを行っています。