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MBS

不動産担保融資の債権を証券化
MBSとは「Mortgage Backed Security」の略。不動産担保融資の債権を裏付けとして発行される証券のことで、日本語ではモーゲージ、モーゲージ証券と呼ばれています。アメリカでは住宅ローン債権の多くが証券化されていて、MBSは債券市場で重要な投資対象になっています。

〈主なMBS〉
・RMBS…住宅ローンを担保として発行される
・CMBS…商業用不動産(オフィスビルやショッピングセンターなど)のローンを担保として発行される

ちょっとややこしいのですが、そもそもモーゲージは「抵当」「抵当権」などを意味する単語で、「モーゲージローン」と言えば住宅ローンのことを意味します。銀行などの預金金融機関以外で住宅ローンを専門に取り扱う機関は「モーゲージバンク」と呼ばれます。住宅ローンを取り扱うためには莫大な資金力が必要になるため、従来は住宅金融公庫や預金金融機関が業務を担っていました。しかし、住宅金融公庫の事業を引き継いだ住宅金融支援機構が住宅ローン債権の証券化支援事業を開始します。こうして生まれたのが住宅ローン「フラット35」です。
「モーゲージバンク」の誕生
「フラット35」は「民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供する最長35年の全期間固定金利住宅ローン」として知られています。
「フラット35」の仕組みは、民間の金融機関が貸し出した住宅ローン債権を、住宅金融支援機構が買い取り証券化し、証券市場から資金を調達、活用するというものです。ポイントは住宅ローン貸出の原資となる資金を持っていない金融機関でも「フラット35」であれば事業に参入できるということ。こうして「フラット35」を中心に住宅ローンを取り扱う金融機関「モーゲージバンク」が出現するようになりました。
業界団体「日本モーゲージバンカー協議会」
モーゲージバンクが住宅ローンを多く取り扱い始めたことにより、住宅業界の中で存在感が増していきます。2005年には業界団体「日本モーゲージバンカー協議会」が設立されました。国土交通省と住宅金融支援機構がオブザーバーとなっており、2010年には一般社団法人となっています。現在では「フラット35」の約9割をモーゲージバンクが取り扱っており、これらのモーゲージバンクの多くは協議会に加盟しています。例えばヤマダ電機グループが100%出資している「株式会社ヤマダファイナンスサービス」も協議会に加盟しているモーゲージバンクです。