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L値

遮音性能を表す指標
L値(えるち、floor impact sound LevelのL)とは、床衝撃音に対する遮音性能を表す単位のこと。L値は小さい数値ほど遮音性能が高く、大きな数値ほど遮音性能が低くなります。
ちょっとややこしいのですが、より厳密に言うと空気を伝わる音を遮断する性能はD値(sound pressure level DifferenceのD)で表します。これは、音の伝わり方に「固体音」と「空気音」の2種類あるからです。物が床に落下した音や足音が床や壁を伝わって聞こえたりするのが「固体音」、楽器の音や自動車の音などが空気を伝わって聞こえるのが「空気音」。L値もD値も遮音性能を示す単位ですが、空気を伝わる音の遮音性能についてはD値と呼びます。ここでは主題はL値であり、床を伝わる「固体音(衝撃音)」を遮断する性能について述べていきます。
ちなみに上階の床で生じる音が下階でどのぐらい聞こえるかを示す指標を遮音等級と呼びますが、遮音等級ではL値やD値などが使われています。
床衝撃音の測定方法はJISで決まっている
床衝撃音には「軽量床衝撃音」と「重量床衝撃音」があります。軽量床衝撃音は「LL」、重量床衝撃音は「LH」で表されます(それぞれに付いた「L」「H」はLight、Heavyの頭文字)。
床衝撃音の測定方法はJIS A 1418において定められています。軽量床衝撃音に対する遮音等級と生活実感は次のようになっています(先述のL、Hは省略)。

〈人の走り回り、飛び跳ねなど〉
L-40…かすかに聞こえるが、遠くから聞こえる感じ
L-45…聞こえるが、意識することはあまりない
L-50…小さく聞こえる

〈椅子の移動音、物の落下音など〉
L-40…ほとんど聞こえない
L-45…小さく聞こえる
L-50…聞こえる

〈生活実感、プライバシーの確保〉
L-40…上階で物音がかすかにする程度 気配は感じるが気にならない
L-45…上階の生活が多少意識される状態 スプーンを落とすとかすかに聞こえる 大きな動きが分かる
L-50…上階の生活状況が意識される 椅子を引きずる音は聞こえる 歩行などが分かる

集合住宅・居室・隣戸間界床(界床=共同住宅で上下階の間に位置する床)においては、軽量床衝撃源の場合、L-40が特級、L-45が1級で、マンションなどではL-45が望ましい水準とされています。
なお、重量床衝撃源では特級がL-45、1級がL-50と定められています。