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LCCM住宅
LCCM住宅
二酸化炭素排出量をマイナスにする住宅
LCCMは「Life Cycle Carbon Minus」の略。住宅の建設から解体までの間(ライフサイクル)における二酸化炭素排出量がマイナスになる住宅のことをLCCM住宅と呼びます。
二酸化炭素排出量をゼロにする住宅はZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)住宅と呼ばれますが、LCCMはさらに進んで二酸化炭素排出量をマイナスにします。
LCCM住宅に取り入れられる手法としては、次のようなものが挙げられます。
1.建設段階におけるCO2排出量を削減する
2.断熱性を高め開口部などの可変性を確保する
3.高効率の設備機器の採用などによりエネルギー利用を効率化する
4.太陽光発電などによって住宅自身がエネルギーを生産する
つまり、二酸化炭素排出量を抑えつつ再生可能エネルギーを生み出し、建設から廃棄に至るまでの間に二酸化炭素排出量をマイナスにする住宅がLCCM住宅ということになります。また、家計面でもメリットがあります。
ZEH住宅では住んでいるときの一次エネルギー消費をゼロ以下にしますが、LCCM住宅では建設から廃棄までのトータルで二酸化炭素排出量を考えるのが特徴です。
LCCM住宅が生まれた背景
LCCM住宅が発案された背景には、地球温暖化対策があります。住宅建設時は資源の採取や建材製造などで大量のエネルギーが消費されることから、低炭素化への取組みが重視されるようになりました。また、建物は運用時にも様々なエネルギーを消費しますが、建築物の長寿命化により運用時の低炭素化の重要度も増しています。
LCCM住宅の認定は建築省エネ機構(IBEC)によって行われ、下記のいずれかを満たす必要があります。
①CASBEE(建築環境総合性能評価システム)の戸建評価認証制度に基づき認証された環境効率ランクがSまたはAであり、かつライフサイクルCO2ランクが緑☆☆☆☆☆(5つ星)である住宅
②国が行うサステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)LCCM住宅部門において、補助金の交付を受けた住宅
LCCM住宅のメリット・デメリット
LCCM住宅は環境にやさしいだけでなく、断熱性が非常に優れており、光熱費は安くなります。一方、デメリットとしては初期費用が高いことが挙げられます。理由は高性能な断熱材や太陽光発電などを導入しなければならないからです。また、施工対応できる会社が少ないという問題もあります。
ただし、光熱費は安くなりますし、LCCM住宅を建てると国から補助金が出ます。国が普及を後押ししていることもあり、これからマイホームを建てる場合は一考に値する住宅だと言えるでしょう。