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AJFI(不動産ファンドインデックス)

「インデックス」は市場全体の状況を反映する
「インデックス」と言えば、「索引」「見出し」、そして「指数」「指標」などを意味します。不動産や証券などの世界では、「市場の動きを示す指数」のことです。例えば「日経平均株価」や「TOPIX(東証株価指数)」は日本における株式の代表的なインデックスとなっています。海外であればダウ平均(NYダウ工業株30種)などが有名です。インデックスの値動きを見れば、市場全体の状況を推測することも可能になります。 また、投資信託には「インデックスファンド」と呼ばれる銘柄があります。インデックスファンドはインデックスと連動した値動きを目指して運用され、様々な投資対象を組み合わせているので、インデックスファンドを購入すると分散投資をすることにもなり、安定したパフォーマンスを得やすくなります。このため、名前に「インデックス」を含む銘柄がたくさん存在します。
ファンドの運用実績を示す「ファンドインデックス」
一方、「不動産投資ファンドの運用実績」を示す指数もまた「インデックス」です。AJFI(不動産ファンドインデックス)もその1つで、(一社)不動産証券化協会が公表しています。AJFIはARES Japan Fund Indexの略称で、ARESはAssociation for Real Estate Securitization(不動産証券化協会)の略となっています。
通常の不動産インデックスの場合、実物不動産の平均的な価格の動向を示すのが一般的ですが、AJFIの場合は不動産投資ファンドの平均的な「収益動向」を示す指数となっています。算定の対象となるファンドはJ-REITと私募REITを含む私募ファンドです。
実物不動産の収益とは異なるAJFIの収益の動き
AJFIの収益は、実物不動産の収益とは異なる動きになります。AJFIの算定は、主に賃貸収益を目的に運用される不動産投資ファンド(コア型不動産ファンド)の当期利益(インカムゲイン)と、そのファンドが投資した不動産の純資産額の増減(キャピタルゲイン)とを加重平均(各変量の“重み”を加味した平均のこと)する方法で行われます。インカムゲインには、ファンドが投資のために借り入れた資金の割合やコストなどが反映されているために、実物不動産の収益とは動きが異なるわけです。
ちなみにAJFIは2001年12月31日を1,000とする指数のかたちで月次に公表されています。