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ADSL

高速化・大容量化が進む通信回線
光回線のインターネットと言えば、かつては最速で1Gbpsでしたが、最近では2Gbpsの回線も登場し、ついには10Gbpsという超高速回線も登場するようになりました。また、スマートフォンなどの無線通信の世界でも、第5世代移動通信システム(5G)が登場し、10Gbpsを越える通信速度、従来のLTEの約1000倍もの大容量化を目標としています。さらに、携帯各社は月間20GBの大容量プランなどを打ち出していましたが、政府が「携帯電話料金値下げ」を推進したことで格安と言っていいプランも登場し始めました。今やスマホで動画を見たりゲームを楽しむのは当たり前で、動画の高画質化も進み、大容量プラン・高速化の潮流は今後も続くと考えられます。
2001年は「ブロードバンド元年」だった
しかし思い返してみれば、かつてのインターネットはダイヤルアップ接続が主流で、自宅のアナログ回線とつなぐのが普通でした。アナログモデムでは56kbps、ISDNでも64kbps~128kbpsという速度。1000kbps = 1Mbps、1000Mbps = 1Gbpsですから、今からすれば考えられないくらい遅い回線だったことになります。ここで登場したのがADSL、Asymmetric Digital Subscriber Line(非対称デジタル加入者線)という高速回線でした。
ADSLでもアナログ固定電話回線を使用しますが、ADSLでは通信が上りか下りかで通信速度を変えることで高速化を実現しました。具体的にはダウンロード需要が格段に多かったので、そちらを優先したのです。ADSLは1999年からサービスの提供が開始され、2001年頃には下り1.5Mbps、上り512kbpsでしたが、それでも2001年は「ブロードバンド元年」と言われました。現在では下り最大50Mbps、上り最大5Mbps(プランにより異なる)となっています。
現在のADSL
その後、より高速な光回線の登場により2008年には光通信加入世帯数がADSL回線加入世帯数を上回るようになり、ADSLからは撤退する業者も増えました。しかし、ADSLは2021年現在も現役です。ネットをあまり使わない人にとっては、ADSLは安い回線として根強い人気があるのです。現在では、NTTフレッツADSLやソフトバンクヤフーADSLなどがサービスを提供しています。ただし、2社とも新規申し込み受付を終了しており、2024年3月末には完全に廃止・終了することになっています。