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ABW

自由に時間と場所を選ぶ働き方
2020年からテレワークが急速に普及し(新型コロナウイルス感染症の感染拡大の勢いが続いていた2020年11月18日~11月23日における正社員のテレワーク実施率は全国平均で24.7%)、中には都会を離れて自然豊かな地方に移住し、テレワークで仕事を続ける人も出てきています。賃貸物件についても、駅近である必要はないが仕事部屋を確保するために部屋数が必要、家族がより快適に暮らせる住環境の確保といったニーズが重要視されてくると言われています。
一方で以前からある働き方の1つに、ABW(Activity Based Working)があります。これは雇用されている人が自分で働く時間、働く場所を決定する方式。その時々の仕事に応じて、雇用されている人自身が好きな時間と場所を選ぶことができます。効用としては仕事と生活のバランス(ワーク・ライフ・バランス)を保ちやすく、事業主側も多様な人材を確保でき、事業コストも削減できると言われています。ただし、ABWを円滑に運営するためには業務管理や成果の確認などを扱うシステムを整備する必要があります。
ここまでの説明では「テレワークとどこが違うの?」と思われるかもしれませんが、テレワークとABWには明確な違いがあります。
テレワークとの違い
まず、テレワークは就業時間が定められています。これに対し、ABWは最適な時間に最適な場所で働くことができます。ABWでは一定期間内に総労働時間が決められており、それを満たせばいつ仕事をしてもよいので、自分で働く時間を日ごとに決めていけるのです。もちろんその分、より自分で自分を律することが求められます。
ABW導入には大きな改革が必要
テレワークとABWを比較した場合、時間と場所を自由に選べるABWのほうが高い生産性を発揮できると考えられます。一方、事業者側からすると、労働時間の制約を取り払うことになるので、新たに導入する場合は労務管理や勤怠管理の仕組みなどを大きく変える必要が出てきます。
事業者がそのような大改革を求めていない場合は、とりあえず狭義のABWを導入してみることもできます。狭義のABWとは、「オフィス内で好きな場所を選んで働ける」という働き方のことです。1人きりで働ける場所と必要なときはミーティングで集まれる場所を用意しておき、業務内容によって使い分けます。効果が実感できればテレワークや本格的なABWに働き方を移行していくこともできるでしょう。
なお、働く場所としては自宅以外にカフェやコワーキングスペースが考えられますが、不特定多数の人間が出入りする場所ではセキュリティの問題が生じるため、特に秘密保持に留意しなければならない職種の場合は法人契約可能なコワーキングスペースを検討すると良いでしょう。