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雨水浸透阻害行為

浸水被害を防ぐために
行政では豪雨災害などを避けるために多様な施策を進めており、必要とあらば様々な行為を規制しています。雨水浸透阻害行為もその1つです。
通常、雨水は河川へ流出するか、田畑などの締め固められていない土地の地下に貯留・浸透するため、地上はそう簡単には浸水被害を受けません。また、場所によっては排水設備を設けたり、雨水を分散浸透させることで雨水の流出を最小限に抑えています。
一方、宅地を造成したり、土地を舗装したりすると、雨水は地下に浸透しづらくなります。これら土地から流出する雨水の量を増加させる行為は「特定都市河川浸水被害対策法」に基づいて制限されており、実施するには都道府県知事等の許可が必要となります。この行為を雨水浸透阻害行為と呼びます。
具体的には、次のすべてに該当する場合、許可が必要となります。

(1)市街化の進展によって河道等の整備による浸水被害の防止が困難であるとして指定された都市河川(特定都市河川)の流域内における行為
(2)宅地等にするための土地の区画形質の変更、土地の舗装、排水施設を伴うゴルフ場等の設置、ローラー等による土地の締め固めなど一定の行為
(3)行為に係る面積が原則として1,000平方メートル以上

最初から宅地等として利用されている土地の場合は改めて許可は必要ありません(ただし建設物の新改築などについては届出が必要)。また、特定都市河川流域内で1,000平方メートル以上の土地で雨水浸透阻害行為を行った場合に許可が必要ということは、坪に直すと約300坪以上の土地が対象になります。都市部では一戸建てで300坪を超える敷地を持っていることは稀だと思いますが、例えば家の周りに畑や林地を持っていて、畑を駐車場に、林地を集合住宅に作り替えようという場合、合計面積が1,000平方メートルを超えると許可申請が必要となります。
なお、雨水浸透阻害行為について許可が必要であることは、宅地建物取引における重要事項説明で説明されなければなりません。
自治体によっては適用規模を引き下げているところも
特定都市河川流域においては、次のような場合も許可・届出が必要になります。

・雨水浸透阻害行為に伴って設置した雨水貯留浸透施設の機能を阻害する恐れのある行為については許可が必要
・保全調節池の埋立て、敷地での建築物の新改築などについては届出が必要

これらの制限についても、宅地建物取引の重要事項説明の対象となっています。 なお、自治体によっては雨水浸透阻害行為の規模(面積)を条例などによって引き下げているところもあります。