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アウトポール工法

室内をすっきりさせる工法
アウトポール工法とは、柱や梁の出っ張りが室内ではなく建物の外側に出るように設計する工法のことです。アウトフレーム工法とも言い、マンションなどの大型建築物に採用されています。
大型建築物はラーメン構造と呼ばれる構造形式を採用しています。ラーメン構造とは柱と梁を長方形に組んで剛接合を施したもののこと。ラーメンとは食べ物のことではなく、ドイツ語で「額縁」を意味します。
アウトポール工法を採用していないマンションやアパートでは、室内の天井部分に四角の出っ張りがあります。床は梁と梁の間に渡されるので、下の部屋に梁が出ているのです。天井部分が出っ張っていると、背の高い家具を入れられないことがあり、いわゆるデッドスペースが生まれます。これを避けるために柱や梁を室内から屋外に出すわけですが、強度に問題が出ないように注意する必要があります。一般的には廊下側は廊下を狭くしてしまうので採用されにくく、障害になるものがないバルコニー側で採用されます。
順梁工法と逆梁工法
アウトポール工法には順梁工法と逆梁工法があります。
順梁工法はバルコニーの部屋寄りの位置に柱や梁を出す工法。バルコニー側の天井に出っ張りができます。
逆梁工法はバルコニーの手摺の位置に柱や梁を出す工法。床の上に梁を載せる構造で、梁が手摺の土台になります。
なお、梁と柱は組み合わさるので、柱も外側に移動します。
いずれの場合も室内から梁が消えるので室内のレイアウトがしやすくなります。特に逆梁の場合は従来よりも大きなサッシ(ハイサッシ)を設置することができます(順梁では天井部分の出っ張りがなくなるだけで、梁はそのまま残ります)。
逆梁工法のデメリット
先に述べたように逆梁工法はハイサッシを使うことを可能にします。大きな開口部は爽快ですが、一般的にガラスはコンクリート壁に比べると断熱性で劣ります。断熱性の高いペアガラス、トリプルガラスなどを採用しないと冷暖房コストが高くなります。
また、バルコニーに立ち上がった梁には奥行きがあるため、その上に子供が登ることができます。もちろんその上に手摺があるのですが、転落には留意する必要があります。梁の近くに足がかりになるような荷物などを置くのも御法度です。
ハイサッシではカーテンを特注する必要が出てくる可能性もあります。また、逆梁ではバルコニー下部から梁が立ち上がっているため、手摺部分に半透明の素材を使っても、通常のバルコニーより採光が遮られる可能性があります。