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オフバランス

「オフ」という言葉には「外す」という意味があります。そしてオフバランスの「バランス」とは「バランスシート=賃貸貸借表」のこと。オフバランスとは財務体質を改善するために資産をバランスシートから外すことを言います。

財務体質を改善するには収益性の向上が必要で、収益性の向上を実現するには売上高を確保し、コストを削減することが必須です。しかし、売上高をすぐに伸ばせれば誰も苦労はしないわけで、まず考えるべきはコストダウンということになります。バランスシート上で資産より負債が多いと債務超過になり、事業の安全性に疑問符が付きます。

コストダウンにはいくつかの方法があります。まず、資産の処分。「資産を処分するなんてもったいない!」と思うかもしれませんが、資産には固定資産税等、維持費がかかるものがあるんですね。景気の良かった時代に投資した株式、土地、ゴルフ会員権などの価値が下がった場合、そのままにしていると利益を生まず、維持費ばかり出ていくことになります。このような資産を思い切って処分すると資金繰りの改善に貢献することがあります。

財務バランスの改善も重要です。第一に流動資産の改善。売掛債権の回収が遅れていたり、不良債権化してしまうことがありますが、これらを放置していることは好ましくありません。また、余剰在庫がある場合は削減すべきです。第二に負債の圧縮。例えば資産を処分して現金化できれば、そのお金で借入金を返済することができます。

他にも様々な手段によってコストダウンを実現し、さらに収益性を向上させていくことになります。オフバランスも財務体質改善の一環ということになります。

(参考:Webサイト「みどり合同税理士法人グループ」不況に負けない財務体質を作る)

下落するリスクがある資産と距離を置く
オフバランスを別の言葉で説明すると「資産の保有と利用とを分離する」ということになります。例えば不動産証券化。不動産を証券化して流通させることで、元の資産保有者と不動産を切り離すことができる=下落するリスクがある資産をバランスシートから外すことができます。本社ビルを証券化して売却・譲渡すると、そのまま賃貸契約を結んで使用し続けることでより効率的な経営ができたりするので、都心部などにある企業の本社ビルはほとんどが証券化されていると言います。売却によって収入が得られる上に物件をそのまま使い続けることができるこの手法は「リースバック」と呼ばれています。
(参考:Webサイト「みずほ不動産販売」不動産用語集)