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入母屋屋根

最近では片流れ屋根が注目されているが…
最近では大型のソーラーパネルを備えるため、シンプルに勾配のついた屋根面1枚だけでできた「片流れ屋根」が増えていると言います。片流れ屋根はスタイリッシュで、モダンな建物を作りやすいというメリットもあります。また、他の屋根形状に比べて作りが単純で、費用が安くて済むのも利点と言えるでしょう。
しかし、日本の古民家を見ると片流れ屋根形状の家屋はほとんど見られないようです。これは、まず雨漏りしやすいというデメリットがあるからだと考えられます。例えば一般的な三角形の切妻屋根(後述)と比べると、片流れ屋根面には単純に2倍の雨が流れることになります。その分屋根に対する負担は大きくなります。また、片流れ屋根には雨樋がなかったり、あっても屋根の下部に1つだけ取り付けられるのが普通です。やはり、建物が損なわれる可能性は高くなります。
もっとも、片流れ屋根の弱点を克服する努力は行われていて、屋根に工夫を加えたりメンテナンスを怠らないことでリスクを下げることも可能です。
主な屋根の形状には、他にも以下のようなものがあります。

・切妻屋根…2面の屋根が山形に施工された屋根
・寄棟屋根…4面の屋根(2つの台形と2つの三角形)が合わさった屋根
・入母屋屋根(いりおもややね)…上部が切妻屋根、下部が寄棟屋根になっている屋根
・方形屋根(ほうぎょうやね)…ピラミッド型の三角屋根
・陸屋根(りくやね・ろくやね)…屋根面が平面になった屋根
格式の高い入母屋屋根
中でも入母屋屋根は、寺院などにも使われていることからもわかるように、格式の高い屋根形状と言われることがあります。また、中国・韓国・インドなどの伝統的な家にも見られます。最近では施工数が減っていることもあり、入母屋屋根の家はそれだけで独特の存在感を醸し出していることも少なくありません。メリットも多く、屋根裏の通気性が高く断熱性が高いため家の耐久性向上に貢献し、台風などの強風にも強いと言われます。また、昔ながらの装飾が似合うので、和風なテイストを取り入れたい人には魅力的な屋根だと言えます。
ただしデメリットもあり、形が複雑で屋根面積も増えるため、費用が高くなる傾向があります。また、複雑な構造から雨漏りが発生しやすく、修理費用も高くなることがあるようです。このため最近では、瓦屋根より軽量で安価なガルバリウム鋼板で屋根を葺き替える人もいると言います。