投資用語に「インカムゲイン」「キャピタルゲイン」という言葉があります。インカムゲインとは、「株式や債券などの資産を保有中に得られる収益」のこと。最もわかりやすいインカムゲインは、預貯金を銀行などに預けることによって得られる利息でしょう。年利であれば、1年に1回、定期的に利息を受け取ることができます。資産を保有し続けることで得られる継続的な収入がインカムゲインです。他にも株式の配当金、債券の利子、不動産の家賃収入などがインカムゲインになります。
一方、保有する資産を売却することで得られる収益のことはキャピタルゲインと言います。例えば100万円で購入した株式が110万円に値上がりしたときに売却すれば、差額10万円がキャピタルゲインです(手数料・税金は除く)。債券、不動産、金、プラチナなどを売却することでもキャピタルゲインは得られます。
- キャピタルゲインは大きく得/損することがある
- インカムゲインとキャピタルゲインの大きな違いは、キャピタルゲインの方が利益が大きくなる可能性があること。例えば株式の配当金は数%というのが相場ですが、株価が値上がりすれば多額の利益を生む場合があります。
一方でキャピタルロスという言葉もあります。キャピタルロスとは売却することによって出る損失のこと。会社の評価が下がって株式をこれ以上持っていても意味がないと判断し、やむを得ず売却する場合があります。こういった場合は株価が下がって元本割れしますから、キャピタルロスが出ることになります。言うまでもなく、元本割れは大きな損失です。 - インカムゲインはマイナスにはならない
- これに対し、インカムゲインはマイナスになることがありません。例えば配当金は、企業が上げた利益の一部を株主に還元するものですが、業績が悪化した企業は配当金を出さないこともありますし、ベンチャー企業などは利益が出ても設備投資などに回すお金が最優先されるので配当金を出さないようにしていることがあります。しかし、配当金の場合は言わばゼロからプラスになるはずのお金が入ってこないだけなので、マイナスにはなりません。同じように不動産の家賃収入も、それ単体で見ればマイナスになることはありません。入居者が入れば、毎月決まった金額が長期にわたって入ってくるようになります。家賃そのものは価格が大きく上下することがないので、インカムゲインを目的とした投資は安定志向の人に向いていると言えます。とは言え不動産には維持費等がかかりますし、入居者が急に減るなどの不確定要素も多いので、やはり不動産投資でもリスクを補える方法を考えることが必要になります。
(参考:Webサイト「SMBC日興證券」初めてでもわかりやすい用語集)