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イ準耐

準耐火建築物の1種
イ準耐とは「建築基準法第2条9号の3イ」に規定されている建築物のことです。イ準耐とは「準耐火建築物」の1つで、火災が起こった場合に1時間(イ-1)または45分間(イ-2)、建物が倒壊したり、延焼したりしない耐火性能を持つとされています。例えば防火地域の木造住宅においては「階数2以下且つ100㎡以内の住宅」は準耐火建築物にしなければなりません(ちなみに「防火構造」は延焼防止のみが目的ですが、「準耐火建築物」は火災における防火性能を確保することを目的としています)。
延焼ライン内の開口部に防火設備を設置する
準耐火建築物には「イ-1・イ-2・ロ-1・ロ-2」の4種類があります。
4種類に共通する要素として、「延焼ライン内の開口部に防火設備を設置すること」「主要構造部が一定の準耐火性能を有すること」が挙げられます。

※延焼ライン…隣地または道路から一定の距離を延焼の恐れがある範囲として設定する。炎は上に行くほど広がるので1階部分より2階部分の方がラインは深い位置に設定される。

延焼ライン内の窓などには防火設備を設置しなければなりません。防火設備には告示仕様か大臣認定仕様のいずれかを選択します(後述)。
建築基準法では防火地域・準防火地域に建設される建物の外壁に設置される開口部のうち、延焼の恐れのある部分には防火戸その他の政令で定める防火設備(ドレンチャーなど)を使用するように定められています。また、耐火建築物・準耐火建築物の延焼ライン内にある開口部、防火区画にある開口部にも防火設備が必要になります。
告示仕様と大臣認定仕様の内容は以下のとおりです。

告示仕様:建築基準法の建設省告示第1360号に適合するもの
大臣認定仕様:各サッシの種別ごとに防火設備として大臣認定を受けているもの
4種類の準耐火建築物の概略
・準耐火建築物(イ-1)
火災に1時間耐える性能を持つ。特に木三共(木造3階建て共同住宅)を設計するとき重要。
・準耐火建築物(イ-2)
火災に45分間耐える性能を持つ。木造の戸建て住宅で多く用いられる。
・準耐火建築物(ロ-1)
主に外壁や屋根に防火皮膜を施して準耐火性能を確保する。
・準耐火建築物(ロ-2)
主要構造部を不燃材料で構成し、外壁を防火構造以上の仕様とする。主に鉄骨造の建物を設計する際に多く用いられる。