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一次エネルギー消費量

建築物のエネルギー消費性能を比較する
一次エネルギー消費量とは、建築物のエネルギー消費性能を評価する指標の一つ。建物を利用することで使用される直接的なエネルギー消費量(エネルギー利用の効率化設備によるエネルギー消費削減量を含む)を表し、数値が小さいほど省エネの程度が大きくなります。 ちなみに「一次エネルギー」とは化石燃料、原子力燃料、水力や太陽光など自然から得られるエネルギーのこと。電気、都市ガス、灯油など、一次エネルギーを変換・加工して得られるエネルギーのことは「二次エネルギー」と呼びます。
建築物において多く使われるのは二次エネルギーの方ですが、電気や都市ガスなどにはそれぞれ異なった計量単位があります。それを一次エネルギー消費量に換算すると、統一された単位(ジュール)で計算・比較することができるようになります。
住宅の一次エネルギー消費量
住宅の一次エネルギー消費量を求める場合は、まず次のような設備の一次エネルギー消費量の合計を計算します。

・暖房設備
・冷房設備
・機械換気設備
・照明設備
・給湯設備その他

そして得られた合計から、エネルギー利用の効率化設備によるエネルギー消費削減量を引きます。
非住宅建築物の一次エネルギー消費量
非住宅建築物の場合は、まず次のような設備の一次エネルギー消費量の合計を計算します。

・空気調和設備
・空調設備以外の機械換気設備
・照明設備
・給湯設備
・エレベーターその他

そして住宅同様、得られた合計から、エネルギー利用の効率化設備によるエネルギー消費削減量を引きます。
建築物の省エネ性能向上を図るための法律を「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」と言いますが、建築物省エネ法は令和元年に一部改正(5月17日に公布)されるなど、時代に合わせて変化しています。
例えばマンション等に関しては以下のようなことが決められています。

・届出制度における所管行政庁による計画の審査を合理化し、省エネ基準に適合しない新築等の計画に対する監督体制を強化(法律の公布の日から6ヶ月以内に施行)

戸建住宅等に対しては以下のようなことが決められています。

・設計者である建築士から建築主に対して省エネ性能に関する説明を義務付ける制度を創設(法律の公布の日から2年以内に施行)
・トップランナー制度の対象に、注文戸建住宅・賃貸アパートを供給する大手住宅事業者を追加(法律の公布の日から6ヶ月以内に施行)

※トップランナー制度とは、トップランナー基準(省エネ基準を上回る基準)を設定して省エネ性能の向上を誘導する制度のことです。