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一団地認定

建物が計画的に集まっていれば「団地」?
一団地認定とは建築基準法に基づく制度で、一団地の土地を一つの敷地と見なして建築規制を緩和適用するための特定行政庁(市町村長もしくは都道府県知事)の認定を言います。
団地というと同じような四角い建物がたくさん並んでいる情景が目に浮かぶと思います。しかし考えてみると、マンションなどでもいくつもの似た建物が集まっている土地があったりしますね。実は、団地、マンション、アパートのような集合住宅の呼び方は法律で厳密に決まったものではありません。団地という言葉は「住宅を計画的、集合的に建てた区域や建物群」のことを指すので、マンションなどでも広義には団地に該当します。また、団地は目的や用途が似ている建物群を集合的に開発した工場・倉庫などの区域も意味するので、工業団地や流通団地といった用語があります。さらに、一戸建ての住宅が建ち並んでいる土地でも○○団地と名乗っていることがありますので、団地は意外と幅広い使われ方をしている言葉だとわかります。
もちろん、日本で代表的な団地と言えば公営住宅、UR賃貸住宅、公社住宅などですが、一団地認定の「団地」は団地本来の広い意味を指しています。
原則としては「1つの敷地には1つの建築物」
建築基準法では、原則として1つの敷地には1つの建築物しか建てられないことになっています。例えば5棟のマンションを建築しようと思ったら、それぞれの敷地ごとに接道義務、斜線制限、容積率制限、建蔽率制限などが適用され、マンションの敷地内部に道路を作らなければならなくなります。結果として、建物も小さくなってしまうでしょう。そこで建築基準法では、特例として「ひとつの敷地とみなすこと等による制限の緩和」が認められているのです(第86条)。建築基準法では、第86条の1項に「一団地の総合的設計制度」、2項に「連担建築物設計制度」が定められています。総合的設計制度はこれから新築する建物群を基本的に一度に建築する場合、連担建築物設計制度はすでに建っている建物に加えて新たに建物を建てる場合に適用されます。一団地認定を取ることができれば、本来であれば1つの敷地に対して1つの建物しか建てられないところ、総合的に1つの敷地と見なして複数の建物を建てられるようになります。例えば複数の建物のブロックに1本しか道路が接道していなくても、建物群は同一敷地内にあるものと見なされ、適法に接道しているということになるのです。
なお、一団地認定を認める具体的な基準は特定行政庁ごとに異なっています。