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縁側

外側に張り出した和風建築の空間・通路
縁側とは、和風建築の主要部分の外側(主に庭方向)に張り出した板敷きの通路、空間のことです。主な種類として「くれ縁(榑縁)」と「濡れ縁」があります。

・くれ縁
長手(ながて)方向に床板を張った縁側。雨戸や側柱などの内側、屋根の内側にあるので、雨の日でも外を眺めることができます。室内なので、戸を閉めることもできます。

・濡れ縁
短手(みじかて)方向に床板を張った縁側。雨戸や壁などの外側にあるので、雨が降ると濡れる場合があります(軒が設けてあるタイプの濡れ縁もあります)。家に固定されていない濡れ縁もあり、その場合は移動させることもできます。
また、京町屋(建築基準法が改められた1950年以前に京都市内で建てられた木造家屋)には折り畳んで収納できる「バッタリ床机(ばったりしょうぎ)」という縁台があります。バッタリ床机は揚見世(あげみせ)とも呼ばれます。
ウッドデッキとの違い
洋風建築で縁側に似ているものと言えばウッドデッキでしょうか。ウッドデッキはエクステリア(外講)の一種で、設置する場合は建物とは別に扱われます。
デッキ(deck)は一義的には「甲板」のことで、テラス・ポーチ・ベランダなどを意味することもあります。ウッドデッキは濡れ縁に似ていますが、基本的には庭の一部を高くし、木や合成木材などで舗装して作ったスペースのことです。広いタイプのウッドデッキではガーデニングやバーベキューなども楽しむことができます。
縁側のメリット・デメリット
軒がかかった縁側があると部屋に直射日光が当たらなくなります。このため快適な温度が保ちやすく、特に夏は冷房費の節約に貢献します。冬になればサンルームのように日だまりの中で外の景色を楽しめます。縁側は夏は涼しく、冬は暖かい部屋を実現するのに一役買ってくれると言うことができるでしょう。
雨の日には洗濯物干し場として活用することもできます。また、縁側と言えば日なたぼっこをしながらお茶を飲んだり、庭の草花を愛でたりするのが定番ですが、庭と組み合わせて使えばバーベキューや花火なども楽しめます。
最近では既存概念に囚われず、デッキ風の作りにしたり、特殊な素材を使ったり、自由な発想で縁側を楽しむ家庭が増えているようです。
一方、縁側を設ける主なデメリットはスペースが必要になること。その分、必要経費もかかります。
縁側はご近所とのコミュニケーションスペースにもなり得る反面、防犯やプライバシーがおろそかになる場合もあります。防犯対策が取られた窓を設置するなど、十分な対策が必要になります。