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エレベーター

垂直に運搬するだけがエレベーターではない
「エレベーターとは何か」と今さら聞かれると、なかなか正確に描写するのは難しいものです。建築基準法の定義としては、「人または荷物を運搬する昇降機(用途、積載重量を問わない)」で「かごの面積1㎡超または高さ1.2m超」のものをエレベーターと呼びます。「かごの面積1㎡以下かつ高さ1.2m以下」のものは小荷物専用昇降機と呼ばれます。小荷物専用昇降機は人が乗ることができない、物を運搬する昇降機になります。
エレベーターは建築基準法だけでなく、労働安全衛生法でも規定されています。また、建築基準法では「エレベーター」「エスカレーター」「小荷物専用昇降機」のことを昇降機としています。
エレベーターと言うと、高い建物を垂直に移動する昇降機を連想すると思いますが、実際には垂直だけでなく、斜め・水平に移動させる装置もエレベーターと呼ばれます。
エレベーターの種類
エレベーターには以下のような種類があります。

・乗用エレベーター
人の輸送を目的とした昇降機。共同住宅、一戸建て住居、事務所、商業施設、宿泊施設、医療施設などに設置されている。住戸内のみで使用されるエレベーターでかご床面積が1.1㎡以下のものはホームエレベーターと呼ばれる。

・人荷用エレベーター
人及び荷物を輸送することを目的とした昇降機。法規上の取扱いは乗用エレベーターと同じである。

・寝台用エレベーター
医療施設や福祉施設などで使われる、寝台やストレッチャーに載せた人を輸送することを目的とした昇降機。法規上の取扱いは乗用エレベーターより緩和されているが、寝台やストレッチャーを日常的に使用する建物以外に設置することはできない。

・荷物用エレベーター
荷物の輸送を目的とした昇降機。荷扱者または運転者以外が利用することは禁じられている。

・自動車用エレベーター
駐車場に設置される昇降機。自動車を輸送することを目的とする。
法律によって異なるエレベーターの定義
労働安全衛生法にもエレベーターに関する規定がありますが、建築基準法とは基準が異なっています。

〈労働安全衛生法が規定するエレベーター〉
・かごの面積1㎡超かつ高さ1.2m超
※「かつ」が建築基準法では「または」となっています。

また、建築基準法では用途、積載重量を問わず「人または荷物を運搬する昇降機」をエレベーターとしていますが、労働安全衛生法では「工場等に設置されるエレベーターで積載荷重0.25t以上のもの」となっています。