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エコウィル(ECOWILL)

販売終了した暖房・給湯を担う装置
エコウィルとは、ガスを用いて熱と電力を同時に得られる家庭用装置です。小型のガスエンジンを搭載しており、発電することができます。さらにその際に発生する熱を利用することで暖房や給湯を行うことができるシステムは「コジェネレーション」と呼ばれています。
エコウィルには高額な補助金制度があったため好評を得ていました。しかし、2011年に補助金制度が廃止。さらにエネファームなど同様の機能を持った製品の台頭により、2017年9月30日をもって各ガス会社での新規販売申込み受付は終了となっています。
エコウィルはエネファームよりも安価な手法であるとされていましたが、給湯をメインにした装置であったために貯蔵している湯量を超える発電はできない構造になっていました。 ただしエコウィルは給湯ユニットと発電ユニット、共に耐用年数は10年となっています。販売終了したとはいえ、現在も使用している家庭も多いのではないでしょうか。
エコウィルに代わる装置
エコウィルが販売終了となった背景には、エネファームなどの価格が徐々に下がってきたことが一因としてあります。しかし、エネファームも「コジェネレーション」システムであることには変わりありません。一体どこがエコウィルと違っているのでしょうか。
先述のとおり、エコウィルはガスエンジンで発電を行っていました。これに対し、エネファームは燃料電池を使っています。燃料電池は原料として水素と酸素を用いるのですが、供給が続く限り発電が持続し、高効率でエネルギー変換ができるなどの特徴があります。このため、エコウィルの発電効率は40%程度でしたが、エネファームは40~50%超の効率で発電することができます。地域によってはエネファームの余剰電力を買い取ってくれるところもあります。また、基本的に停電中でも発電・給湯が可能です。
ただし、安くなったといっても他の製品と比べて高価格というデメリットもあります。
他にエコウィルの代わりとなる製品には次のようなものがあります。

・エコジョーズ…ガスでお湯を作り、排気熱で再びお湯を作る仕組み。発電はできない。停電時でも給湯できる機種がある。
・エコワン…お湯が必要なときにガスで沸かし、電気で保温する仕組み。発電はできない。蓄電池でガス給湯が可能。
・エコキュート…大気中の熱を圧縮し、電気を使ってお湯を作る仕組み。発電はできない。断水していない状態でタンクにお湯が残っていれば停電中でもお湯が使用できる。蓄電池があると普段どおりに使用可能。

なお、最近では災害時の非常用バッテリーも兼ねて家庭用蓄電池の導入を推奨する動きがあります。