青道(あおみち)の意味は「青地(あおち)」と同じ。登記所にある公図において青く塗られた部分(国有地である水路や河川敷)のことです。前回、「青道は水路等の土地の形状を反映した呼び名」と書きましたが、水路や河川敷が機能を失い(干上がったり埋まったりする)と、あたかも道のような形になることが多いんですね。このような土地の形状を反映した、というわけです。
ちなみに青地(青道)の歴史をさらに細かく見ていくと、青地は明治6年の地租改正時には官・民有地の区分方法の解釈が全国で統一されていなかったため地券(明治政府が土地の所有権を示すために発行した証券のこと)が交付されず、官有地の扱いを受けていた土地(官有地は国有地の旧称)。その後明治32年に制定された国有土地森林原野下戻法(こくゆうとちしんりんげんやしたもどしほう)でも下戻の手続きが行われなかったものが最終的に国有地となりました(国有土地森林原野下戻法とは、一度官林となった森林原野のうち証拠のあるものは民有に返すことを定めた法)。つまり旧土地台帳の付属地図(公図)で無番地・無籍地であった土地が青地となったのです。
実はこのような土地を青色に塗って表示しているのは主に関東地方で、地方によっては着色が異なっているのだとか。青地は比較的東日本に多く、西日本には少ないとも言われているそうです(参考:サイト「一般社団法人東京都測量設計業協会」)。