使用貸借

使用貸借とは、貸主と借主との間で不動産などを無償で契約することをいいます。

使用貸借契約と賃貸借契約
借主に対して無償で貸す使用貸借契約に対して、有償で貸す契約のことを賃貸借契約といいます。賃貸借契約は、借地借家法に基づいて契約されます。一方、使用貸借契約は、原則、いつでも貸主が契約を解除することができ、借地借家法は適用されません。使用貸借契約の多くは、親子や兄弟、親族などの間で交わされることが多いようです。具体的には、親の土地に子ども名義の住宅を建てたり、個人の土地に会社や駐車場など建物を建てたりします。
使用貸借契約の終了時期
使用貸借契約は、貸主、あるいは借主が契約を解除しない限り、契約が継続されます。契約継続中に借主が死亡した場合は、契約が終了されるとしています。一方、貸主が死亡した場合についての契約については明記されていません。貸主が死亡した場合は、その不動産が相続された相手が契約を継続すると考えるのが妥当といえます。
借地借家法
使用貸借契約には適用されませんが、一般的な貸借契約に適用されるのが借地借家法です。借地借家法は、土地や建物の賃貸借契約について定めた法律です。契約の更新や存続期間などについて規定されています。
借地借家法にもとづく借地権
借地権には、普通借地権、定期借地権などがあります。普通借地権とは、契約期間の満了後も更新できる借地権のことをいい、借地権の存続期間は30年以上です。定期借地権には、一般定期借地権、建物譲渡特約付借地権、事業用定期借地権があります。一般定期借地権は、存続期間を50年以上とし、契約期間が満了したら契約更新ができない借地権です。契約満了後は、借主は更地にして返還します。建物譲渡特約付借地権は、存続期間を30年以上とし、アパートやマンション、店舗、事業所などの建物を建設して賃貸借するものです。契約期間満了後は、借主は建物を残したまま返還します。そのため、土地の貸主は、契約満了後は建物の貸主として賃貸経営を継続することができます。事業用定期借地権は、存続期間を10年以上50年未満とし、事務所や店舗、工場などの建物を建設して事業用に土地を賃貸借するものです。契約満了後、借主は更地にして土地の貸主に返還します。
借地借家法に基づく借家契約
借家契約については、定期借家契約、普通借家契約があります。定期借家契約は、賃貸借契約をするときに一定期間の契約をし、契約満了の期日に確実に契約を終了する契約のことをいいます。普通借家契約は、契約期間が満了しても更新できる一般的な賃貸借契約のことをいいます。

使用貸借のトラブル

ただより高いものはない?
使用貸借とは、一言で言えばただで不動産を借りること。「えっ!」と思うかもしれませんが、考えてみれば親の土地に子供名義の家を建てたり、個人の土地に会社を設立したり、駐車場を設置したりする場合には、この形態の契約を結ぶことになるのです。有償で貸す契約は賃貸借契約と呼ばれ、借地借家法に縛られます。一方、使用貸借契約には借地借家法は適用されません。
身内やそれに近いところで貸し借りするなら、トラブルもそんなにないだろうと思うかもしれません。しかし、身内だからこそ突如としてトラブルに見舞われることもあるのです。
契約書を作成しないケースが多い
使用貸借契約は、原則としていつでも貸主が契約を解除することができます。このため親子関係が悪化したりすると、「骨肉の争い」に発展することがあります。 逆に、使用貸借は貸主あるいは借主が契約を解除しないかぎり継続されます。そのため、契約書を作らないケースも多いのです。もめることを前提にしていなかったり、「親族間でそこまでしなくても」といったためらいが契約書作成を躊躇させるのですが、後で関係がこじれたりすると「貸し手が借り手に明け渡しを要求する」といった事態になりかねません。しかし、土地は貸し手のものでも、借り手が自分で建てた家や会社施設などがあれば、簡単には出ていけないでしょう。
もう一つ厄介なのが、「貸し手が死亡した場合」です。契約中に借主が死亡した場合は契約は終了になりますが、貸主が死亡した場合について規定はありません。普通は、その不動産を相続した相手が契約を継続することになります。
相続でもめるケースも
そう、この相続の時点でもめるケースが多いのです。同族会社でも同様なことが起こります。社長が亡くなったとき、社長が個人所有していた土地に同族会社所有の建物や他の親族が所有する建物が建っていたりすれば、かなりややこしいことになります。
また、相続がうまくいっても、新しい貸主になった人が「不動産を売却して新しい商売を始めたい」「ただで貸すなんてとんでもない」といった考えを持っている場合もあります。貸主が契約を解除したい場合は民法の規定により「使用及び収益をするのに足りる期間を経過したとき」返還を請求できることになっていますが、実際には双方の事情を考慮して判断する、ということです。
こういったトラブルを避けるには、貸主は遺言書などで相続について明記しておくこと、最初の時点で貸主・借主がよく話し合い、お互い納得して契約書を交わすことが重要です。
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