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借地権

土地を借りて家などを建てる
土地を買って、家を建てる。あるいは土地付きの中古住宅を買い取る。この場合は当然ながら土地の所有権も手にすることになります。一方、物件情報の詳細情報に「借地権」と記されているものもあり、借地権付き建物と呼ばれています。今回は借地権についてご紹介します。
借地権とは、建物を建てて所有する目的で地代を支払って地主から土地を借りる権利のことです。借地権は借地法、借地借家法によって保護される権利(あくまで「建物」が対象なので、駐車場や資材置き場などは対象から外れます)。借地権付き建物の場合は、地主から借りた土地に家が建っていることになります。
借地権には地上権と賃借権の2つがあり、地上権とは「他人の土地において工作物を所有するために土地を使用する権利」のこと。地上権は物件で、地主の承諾がなくても譲渡・転貸が可能です。一方、賃借権は債権です。賃借権には3つの種類があります。

3つの借地権

①旧借地権
旧法である借地法による借地権。場合によっては半永久的に借地権が存続する、借り主側が強い権利
②普通借地権
借地借家法で定める借地権の1つ。契約更新を前提としており、地主は正当な事由がなければ契約を更新する必要があります。一方、建物が滅失した場合、地主の承諾なしに建物の再建(特に借地契約更新後の再築)を行うと借地権を失うことがあります。
③定期借地権
借地契約に更新がなく、期間満了とともに土地を地主に返還しなければならない借地権。「一般定期借地権」であれば存続期間は50年以上。

建物について

借地権付き建物のメリット・デメリット
借地権付き建物を買うということは、土地は自分のものにならないということ。地代を毎月地主に支払うことになります。逆に言えば、買うときに土地の値段を気にする必要がなく、土地と建物がセットになっている場合と比べてかなり安く手に入れることができます。また、借地権であれば不動産取得税・固定資産税・都市計画税が課税されることもありません。これらの税金は地主に課税されます。
借地権のデメリットの第1は地代がかかること。マイホームなのに…と思う方も多いとか。しかし、税金は地主持ちなので悪いことばかりではありません。第2に、借地権付き建物は銀行融資を受けにくい傾向があります。他人の土地なので、担保評価が低くなるのです。ただし、最近では定期借地権付き住宅ローンなども登場しています。第3に、リフォームする場合は地主の許可が必要なケースがほとんどなので、注意する必要があります。
土地を貸す側のメリット
土地を貸す側にもメリットがあります。土地だけ持っていてアパートやマンションの経営を始めようとした場合、初期投資や維持管理費などが必要になります。しかし、土地を貸せばそういった費用を気にすることなく安定収入を長期間得ることができます。ただし、契約期間中は土地を自由にできなくなるので、子供などに土地を継がせる場合に問題が生じることもあります。