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文教地区

文化施設が集まる地区
一般的に「文教地区」と言えば、学校や図書館、博物館などの文化施設が多く集まっている地区のことを指します。厳密には都市計画法の特別用途地区(用途地区内の一定の地区における当該地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るための地区)の1つとして定められているのが「文教地区」です。
特別用途地区には、かつては次の11種類の類型が規定されていました。
  • 中高層階住居専用地区
  • 商業専用地区
  • 特別工業地区
  • 文教地区
  • 小売店舗地区
  • 事務所地区
  • 厚生地区
  • 観光地区
  • 娯楽・レクリエーション地区
  • 特別業務地区
  • 研究開発地区
現在では1998年の法改正により、地方公共団体ごとに種類・名称・規制内容を自由に規定することができるようになっています。
もっとも、特別用途地区は用途地区(住居、商業、工業など市街地の土地利用を定める)の指定を必要に応じて補完するもの(用途地区が指定されたところに重ねて指定される)なので、地方公共団体によっては指定していないところもあります。
特別用途地区は制限の強化を目的として定められる場合が多いため、用途地区の規定では建てられる建物が特別用途地区の指定によって建てられないこともあり得ます。
様々な建築用途制限
文教地区では建築用途に制限があります。都道府県や市町村の条例などによって制限内容には違いがありますが、ここでは東京都渋谷区の第一種文教地区の建築制限を見てみます。
  1. 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)第2条第1項第一号から第三号まで及び同条第6項各号のいずれかに該当する営業に係るもの
  2. ホテル又は旅館(前号に該当するものを除く)
  3. 劇場、映画館、演芸場、観覧場又はナイトクラブその他客にダンスをさせ、かつ、客に飲食をさせる営業を営む施設(第1号に該当するものを除く)
  4. マーケット(市場を除く)
  5. 遊技場又は遊戯場(学校附属のものを除く)
  6. 旧工場公害防止条例(昭和24年東京都条例第72号)別表に掲げられていた作業を常時行う工場
  7. 勝馬投票券発売所、場外車券売場及び勝舟投票券発売所
    (以下略)
渋谷区では風俗営業やホテル、劇場などの制限に重点を置いていることがわかります。他にも幕張新都心では住宅やオフィスの建築を禁止していたり、兵庫県西宮市では病院建築も制限していたり、様々な事例があります。