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電力一括受電システム

電力自由化を活用できるかできないか
電力自由化により、消費者は電力会社を自由に選べるようになりました。まだ送電網などの問題がありますが、自然エネルギーの普及と相まって電力自由化が進み、電気料金が値下げになることが期待されています。
しかし、例えばマンション住まいの場合は、電力会社を切り替えられる場合と切り替えられない場合があります。これには電力の受電システムが関係しています。
低圧契約と高圧一括受電
マンションの電力契約には低圧契約と高圧契約(高圧一括受電)があります。低圧契約は戸別に電力会社と契約するもので、居住者は自由に電力会社を選択できます。同じ建物に住んでいてもお隣さんと異なる電力会社を選ぶことができます。
これに対し、高圧一括契約の場合はマンションの建物1棟単位で電力会社と契約しています。高圧契約の場合は居住者が電力会社を変更したいと思っても契約することはできません。
自宅の契約が低圧か高圧かは大家さんや管理会社に聞けばすぐわかりますが、戸数が50未満の場合は低圧の可能性が高いようです。逆に大規模マンションやタワーマンションであれば高圧契約が多いと言います。また、敷地内に変圧器や管理室などがある場合は高圧契約を採用しています。
ちなみにアパートの場合はほぼ低圧契約になっていますので、自由に電力会社を切り替えることができるはずです。
高圧一括受電のメリット
マンション居住者からすると「自由に電力会社を変えられないのは不便だ」と思うかもしれませんが、高圧一括受電には大きなメリットもあります。家庭用の電気料金単価は平成24年の段階で約23円/kWhですが、高圧電力の場合は約16円/kWh(平成22年)。単価の安い電気をまとめて購入し、ロビーなどの共用部分に流すことで、電気代がかなり安くなるのです。一般的に共用部分の電気代は管理費から拠出されますので、居住者にとっては支払う管理費用が安くなるというメリットがあります。また、高圧契約では電力使用量の確認が容易なスマートメーターを使用することができるようになります。
ただし、現在低圧契約のマンションが高圧一括受電に替える場合は、まず全入居者の同意を得る必要があります。また、変電設備の定期点検が必要になるので、3年に1度は点検時に停電することになります(1時間から1時間半ほど)。さらに、検診器やブレーカーを一戸ずつ交換しなければならないので、導入前には入居者への周知徹底を図ることが必要です。