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ライフサイクルコスト

建設から解体に至るまでの総費用
ライフサイクルコストとは、製品や構造物を取得、または使用するために必要な費用の総額のことです。ライフサイクルは企画・設計から維持・管理・廃棄に至る全過程のこと。生涯費用、LCC(life cycle costの略)とも呼ばれます。
建物で言えば、ライフサイクルコストは建設から解体に至るまでの総費用のことを指します。このため新築時に支払う建設費・初期費用は「氷山の一角」と表現されることがあります。
建物を建てる時は初期費用ばかり考えがちですが、目の前の費用にばかり気を取られていると将来思いがけない出費に悩まされることがあります。なぜなら建物を所有するには初期費用の他にまず光熱費・修繕費というランニングコストがかかるからです。
初期費用を抑えるとライフサイクルコストが高くなる?
防水紙などのグレードを下げれば初期費用を抑えることができますが、低品質な防水紙を使用すれば内部に水が浸入するリスクが高まります。水が浸入すれば下地や柱、梁、接続金物などが劣化して早期に補修をすることになり、思わぬ出費を強いられる場合があります。外壁などの外装材の耐久性が低ければ、早晩外装材を交換しなければならなくなりますし、足場の設置・撤去費用もかかります。
また、断熱性能・気密性能が低ければエネルギー消費量が増大し、ランニングコストが高騰することも考えられます。
つまり、初期費用を抑えたことで設計・施工などの質が下がり、結果として建物の耐久性が低下することでライフサイクルコストが跳ね上がる場合もあるということです。
求められる中長期的な視点
一方で、建物を取得するにはライフプランを考える必要もあります。個人の住宅であれば住宅ローンの額や家を建てるタイミングだけでなく、何年ぐらい住みたいのかによって建設費にいくらかけるのかも変わってくるでしょう。できるだけ長持ちする家にしたいのであれば建設費に予算を注ぎ込めば良いのでしょうが、すべての人が最高のスペックの家に住む必要はありませんし、建築後の生活が苦しくなっては本末転倒です。
賃貸住宅を建てるのであれば、どの層を狙った物件なのか、将来は親族に引き継がせるのか、それとも適当なところで売却するのかなど、さらに様々な要因がライフサイクルコストに関わってくるでしょう。建物を建てる際は中長期的なプランが必要です。また、ライフサイクルが長ければ長いほど予想外の出費が増えてくるので、誤差も考慮しておく必要があります。もちろん、建物を使い始めてからランニングコストを改善することも可能ですので、コストの問題は継続的に考慮していくことになるでしょう。
家を買う人、賃貸する人にとってのライフサイクルコスト
なお、家を買う人・賃貸する人がライフサイクルコストを比較することも有効です。一般的には賃貸の方が安上がりで、住み替えも簡単なのでライフスタイルの変化に柔軟に対応できると言われます。しかし、性能の高い家に住めばより快適で健康な生活が得られやすく、資産価値を維持できれば売却したり、子供に譲ることも可能です。どちらを選ぶにせよ、コストパフォーマンスを考えて自分に合った住まいを見出すことが重要だと言えるでしょう。