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レバレッジ

テコの原理で収益拡大を狙う
レバレッジ(leverage)とは「テコ」を意味し、「レバレッジ効果」「レバレッジ率」の略としても使われる言葉です。経済用語としては「借入金などを用いて少ない資本でも高い利益率を実現すること」を意味します。例えばFX取引では最大25倍のレバレッジをかけることができます。つまり10万円しか持っていなくても、最大250万円まで取引に投入できるということです(国内の個人口座の場合。ただしレバレッジが25倍になる代わりに損する可能性も25倍になるので、ハイリスク・ハイリターンな取引となります)。
自己資金では手が出ない物件も狙える
不動産投資においてもレバレッジは効果を発揮します。例えば自己資金1,000万円で物件を購入して60万円の年間収益を得れば、利回りは6%です。一方、1,000万円の自己資金に2,000万円の借入金をプラスして年間収益180万円を得られる物件を買ったとすると、やはり利回りは6%。ところが、借入金2,000万円の年間利息額が60万円かかったとしても(金利3%)、得られる実質収益は120万円になります。つまり、自己資金のみで物件を購入した場合と比較して倍の収益が得られることになるのです。利回りは12%に上昇します。
不動産投資を行う人の多くは借り入れた資金で物件を購入します。レバレッジは自己資金からの出費を節約するだけでなく、大型物件の入手も可能にしてくれます。このため物件を即金で支払う余裕があったとしても融資を受けて投資することが正解とされることが多いのです。レバレッジは投資先として不動産を選択する大きな理由になるでしょう。
金利には注意が必要
不動産投資では物件をよく吟味して購入し、一定の入居者を確保できるように努めます。概ね計画通りに行けば、長期的にはFXよりも安全な投資になるでしょう。しかし、金利は個人の努力とは関係なく変動します(変動金利の場合)。例えば先の例で金利が3%から6%に上がったとすると、年間利息額は120万円。すると年間収益180万円から利息を差し引くと60万円しか儲からないことになり、自己資金で物件を購入した場合と変わらなくなってしまいます。借入金の返済を考えると「自己資金で購入していたほうが良かった」ということになります。
固定金利にする手もありますが、固定金利は一般的に変動金利より金利が高く、繰上返済や解約ができないというデメリットがあります。ただし金利が変わらない固定金利は計画的に運用するという点では変動金利より有利です。
不動産投資においてはレバレッジ効果や借入金額、金利などを熟考して運用することが重要だと言えるでしょう。