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ノンホルムアルデヒド

シックハウス症候群の原因になる化合物
室内の空気環境の悪化により住む人の健康が損なわれることをシックハウス症候群と呼びます。シックハウス症候群の原因は建材や調度品などから発生する化学物質やカビ・ダニによる空気汚染などとされており、VOC(有害揮発性有機化合物)として有名なのがホルムアルデヒドです。ホルムアルデヒドはホルマリンの一種。塗料や合板などの製造に使われる接着剤に含まれており、空中に放散されます。多量に吸い込むと目・鼻・喉の痛みやかゆみ、頭痛、ふらつき、皮膚のかゆみなどを引き起こします。重度の場合には手足のしびれ、吐き気や不整脈、呼吸器障害などに発展することもあります。2003年7月の改正建築基準法の施行以来、ホルムアルデヒドの使用は制限されていますが、消費者としてはその使用状況が気になるところ。そこで重要になってくるのが「ノンホルムアルデヒド」という概念です。
F☆☆☆☆ならとりあえず安心
ノンホルムアルデヒドとはホルムアルデヒドを一切、またはほとんど含まない材料を指す言葉です。例えば日本接着剤工業会ではノンホルムアルデヒド製品として登録されたものをホームページで公開しており、製品名・製品会社名・接着剤種などから検索することができます。
JIS(日本工業規格)に準拠した工場で生産されるJIS製品に関しては、2003年3月からホルムアルデヒドの放散量の性能区分を表すためにスターマークが表示されることが決められました。この等級表示はJISの他にJAS(日本農林規格)や国土交通大臣、工業会自主基準に申請して認定を取得します。
「F☆☆☆☆(エフフォースター)」はホルムアルデヒド等級の最上位規格を表すマークです。「F☆☆☆☆」はホルムアルデヒドの発散量が微少であることを示します。「F☆☆☆☆」と表示されている塗料、建材、内装材などは建築基準法によって使用量が制限されません。
「F☆☆☆」や「F☆☆」の場合は使用面積に制限があります。「F☆☆☆☆」の材料であれば制限なくいくらでも使えますが、「F☆」のものになると内装材として使用することができません。
ちなみに無垢材や自然塗料はホルムアルデヒドを発散しないので規制の対象外。「F☆☆☆☆」に認定された材料でも無制限に使ってしまうと「ホルムアルデヒド濃度が基準値を超えてしまった」ということも起こり得るので、より安心を重視したい場合は内装材に自然素材を取り入れると良いでしょう。