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二重床構造

終の住処として押さえるべきポイント
マンション購入の際に注意すべき点として、二重床・二重天井であるかどうか、天井高(てんじょうだか)はどれぐらいあるのかが挙げられます。これらは生活の快適さに直結するだけでなく、リフォームのやりやすさにも関係してくるからです。住宅を購入するまでのつなぎとしてマンションを利用するなら別ですが、終の住処として考えるのであれば考慮しておきたいポイント。ここでは二重床について解説します。
直床との違い
二重床は文字通り床が二重になっているものです。床スラブ(板状のコンクリート)の上に支持ボルトを立て、その上に合板などを載せて床仕上げを行います。つまり、床スラブとフローリングなどの床仕上げの間には空間があり、給水管・ガス管・電気配線・排水管などはこの空間に配置されることになります。
床スラブの上に直接フローリングなどによる仕上げを行ったものは直床(じかゆか)と呼ばれます。ガスや給排水、電気配線は部分的に床スラブを上げたり下げたりして配置します。ゆえに屋内に床段差が生じることがあるだけでなく、配管スペースが限定されます。実際には間取りなどを工夫して見た目には段差がない仕上げをしているマンションも存在しますが、後に浴室やキッチンなどの位置を変更しようとすると問題が生じる可能性があります。
性能の高い直床もある
二重床の場合はリフォームが容易です。床下の空間内で設備・配管を動かせるので、室内のレイアウトに対する影響が小さくなります。直床のマンションでは思うようなレイアウト変更ができないことがありますので、これは大きなアドバンテージだと言えるでしょう。また、直床の場合は子供が騒いだりすると下階に音が響きやすいという弱点がありますが、二重床であれば遮音性も安心です。
ただし、現実には「二重床・二重天井」のマンションは多くない、という話もあります。多いのは「直床・二重天井」。現在では「直床・直天井」の物件はほとんどなくなっているという話もあり、新築であれば二重天井であると思って間違いないようです。
直床のマンションが多いのは、工事費を抑えるためだと言われています。直床であれば階高(ある階の床コンクリート板の上端から直上階のコンクリート床の上端までの距離)を13~23cmほど低くすることができ、その分建物全体の高さを抑えることが可能になるのです。建設費が安くなれば、分譲価格も抑えることができます。
直床に厳しいことばかり書きましたが、直床にも二重床にも種類があり、性能は様々です。高性能なフローリングを用いれば直床でも遮音性が上がりますし、リフォーム時の制約もあまり気にならないと言う業者もいます。購入の際は床の仕様を確かめるようにしましょう。