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無垢材使用

自然素材の代表格
木造住宅には主に集成材が使われています。集成材は小さな木材を接着剤で再構成して作られる材料で、幅・厚さ・長さ方向を自由に調整することができるため、長大材・湾曲材を製造することも可能です。また、乾燥しても狂い・割れ・反りが出づらく、強度性能のばらつきも少ない信頼性の高い部材として知られています。
これに対し、集成材や合板ではなく、使用する形状で丸太から切り出した木材のことを無垢材と呼びます。歴史的な寺社仏閣などはすべて天然無垢材で作られています。
現在では、フローリングなどに無垢材をふんだんに使用した住宅は「自然素材の家」などと呼ばれ、特徴ある住宅の一形態として認知されています。無垢材は家具に使用されることもあります。戦前はほとんどの家具が無垢材で作られていたそうです。無垢材の家具は大量生産が難しかったのですが、戦後の技術進歩によって現在ではフラッシュ構造(角材などで作られた枠の両面に薄い化粧板などを貼った構造)の家具が量産されています。
無垢材のメリット・デメリット
集成材には寸法変化が少なく、材料の取り扱いが簡便といったメリットがある反面、健康・耐久性・環境の面ではデメリットがあると言われます。接着剤にはシックハウス症候群を引き起こすホルムアルデヒドが含まれている場合がありますし、柱や梁などに集成材が使用されていれば、接着剤が建物の耐久性を支えていると言うこともできます。廃材を焼却処分する場合も接着剤からは有害な化学物質が発生しますし、リサイクルが難しいといった弊害もあります。
無垢材の場合もまったくホルムアルデヒドが出ないわけではないのですが、ホルムアルデヒド等級の最上位規格であるF☆☆☆☆(エフフォースター)を大幅に下回る放散量なので、無垢材はF☆☆☆☆告示対象外商品となっています。
建材に無垢材を使うと様々な恩恵を受けられます。無垢材は呼吸を続けているので調湿効果があり、断熱性も高いので周辺の温度に影響されにくい建物になります。また、木の精油成分にはダニ、カビ、細菌類の増殖を抑える働きがあります。きちんと設計した建物であれば、乾燥が進むほど木が固化して強度を増すので、耐震性・耐久性も良好です。他にも経年変化が楽しめる、コンクリートなどにはない温かみがあるなどの特長があります。
一方、無垢材にもデメリットがあります。十分に乾燥させておかないと、収縮・変形が生じます。無垢材を使用する際は、木材に精通した人材を擁する施工業者に依頼したいものです。傷やシミも付きやすいと言えるでしょう。また、近年では質の良い無垢材が少なくなったため、材料費が高めになります。