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宮大工

神社仏閣の建築・補修の専門家
大工と言えば、主に木造建造物の建築・修理を行う職人のことです。大工になるために必要な資格はなく、親方に弟子入りしたり、工務店に就職したりして大工として一人前になっていきます。もちろん各種資格を取得すれば仕事の幅が広がります。
では、宮大工とはどんな職業なのでしょうか。一般的には神社仏閣の建築・補修に関わる大工を宮大工と呼びます。神社仏閣は木組みでできていますから、宮大工は木組みの技術を習得していなければなりません。木組みは日本に古くから伝わる工法で、伝統工法とも呼ばれています。飛鳥時代には朝鮮から2人の僧侶を招いて飛鳥寺を建立したことが古文書に記されており、聖徳太子が法隆寺を建てる前にこの僧侶達から教えを請うたのだとか。昔は僧侶など、専門の大工ではない場合も多かったようです。最近では首里城が火災で焼失してしまうという大変ショッキングなニュースがありましたが、戦後に首里城を復元する中心的役割を担ったのは福井県の宮大工達でした。宮大工のほとんどは寺社のある地域を渡り歩いて仕事をするので、渡り大工とも呼ばれています。
木組み工法の妙技
伝統工法である木組みの特徴は金物を使わないこと。柱の結合部すら金物で固定されておらず、仕口(しぐち)、継手(つぎて)といった技法で材木を組み合わせていきます。仕口は土台と柱などをつなぐ技法、継手は材木の長さが足りない時に継ぎ足す技法で、いずれも金物を使いません。
木組み工法で作られた建物は結合部が金物で固定されていないので地震の際は建物自体が変形して揺れを受け流します。もちろん壁などはダメージを受けますが、全倒壊しにくいという特長があります。
宮大工は自分の手で木材を削って木組みを作り出します(手刻み)。これが一般の大工と大きく異なる点で、大工は2~3年で一人前になることも可能だと言われていますが、宮大工は最低でも10年は修行せねばならないそうです。
宮大工は木材を手刻みによって加工するので、「木を読む」力も必要とされます。さらに寺社建築のあるべき姿や決まり事を熟知していなければ宮大工とは呼べないとも言います。
後継者不足が深刻?
このように一人前になるまでのハードルが高い宮大工は、一説によると今はもう全国に100人程度しかいないと言われています。また、国宝・重要文化財級の建築物の修復を任せられるのは全国に5社程度しかないそうです。ただし、寺社仏閣がある限りなくならない仕事でもあります。最近ではわずかながら宮大工育成に特化した専門学校も存在し、国も「伝統建築工匠の技」をユネスコの無形文化遺産にしようするなど、伝統技術を継承しようという機運が高まっています。