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軽量鉄骨造

重量鉄骨と何が違うのか
鉄骨造の建物は頑丈で、地震に強く、耐火性も高いというイメージがあります。しかし、実際には鉄骨構造には種類があり、それぞれの工法にメリットとデメリットがあります。
軽量鉄骨
軽量鉄骨は一般の住宅にも多く見られる構造で、比較的短期間で建設することができます。鉄骨素材の板の厚さは6ミリ以下と薄く、この軽い鉄骨が名前の由来になっています。組み立ては柱と梁を固定したラーメン構造で、枠組みに壁はありません。しかし、そのままでは強度が不十分なので、壁部分に筋交い(ブレース)を入れます。
建築費は重量鉄骨よりは安く、地震の際には力が分散しやすい構造なので、重量鉄骨より強度を上げられると語る専門家もいるそうです。デメリットとしては、大きな開口部が取りづらいこと。また、筋交いのある壁は壊して部屋をつなげたりするのが難しいので、大規模なリフォームには不向きな構造だと言えます。
重量鉄骨
重量鉄骨はビルで用いられることが多い構造です。柱や梁に重量のある鉄骨を使用するので、枠組みだけで十分な強度が得られます。柱が数本あれば壁を設けなくてもよいので、広いフロアを作ることも容易です。設計によっては一般住宅で採用されることもあります。ただし、上物が重くなるので、基礎や地盤がしっかりしていないと建てることができません。このため建設費用は高くなる傾向があります。
目的に合った構造を選ぶ
先に述べたように軽量鉄骨、重量鉄骨にはそれぞれメリット・デメリットがあります。鉄骨構造に共通するメリットとしては、鉄骨は大きな力が加わっても粘り強く耐えることができるので、大地震が来ても完全に倒壊する危険性は低いことが挙げられます。その代わり、重くてしなやかさには欠けるので、木造構造より揺れを感じやすいと言えます。また、基本的に火事には強いのですが、火事では家財が燃えることが多いので、火事になりにくいとは言えません。ただし、鉄骨は燃焼温度が540℃を超えるまでは強度を保ち続けることができます。木造で540℃まで温度が上がれば、すでに柱や梁まで燃え始めていることでしょう。
ちなみに鉄筋コンクリートはコンクリートの芯に鉄筋を入れることで強度を高めたもの、鉄筋鉄骨コンクリートは鉄骨構造と鉄筋コンクリートの良いところを採り入れた建材ですが、建設コストが高くなるなどのデメリットもあります。完璧な工法は存在しないので、目的に合った構造を選ぶことが肝要です。