開閉できない窓のメリット・デメリット
一般的な窓は開け閉めができます。開閉方法には横引き、開き、引き違い、上げ下げ、ルーバーなど様々なものがありますが、採光と通気を主な目的として設けられた開口部という点では共通しています。しかし、はめ殺し窓(フィックス窓、ピクチャーウィンドウ)は開閉することができません。通気が必要ない場合に設置されるのがはめ殺し窓ですが、他にもいくつかのメリットがあります。
- 落下の危険がない
- 窓は開口部になるので、物を落としたり子供が落下する危険性をはらんでいます。しかし、はめ殺し窓であれば落下の危険から解放されるので、大きな窓を2階のリビングなどに設けたりすることが可能になります。
- 防犯に強い
- 通常の窓はガラスに穴を空けて手を突っ込んだり「こじ破り」や「焼き破り」などで鍵を開けることができますが、はめ殺し窓はそもそも開閉しないのでこれらの方法で侵入することは困難です。また、鍵を掛け忘れて窓が開いてしまう心配もありません。
- 気密性が高い
- 開閉できないはめ殺し窓は気密性が抜群に高いので、花粉症対策や冷暖房の効率化に貢献します。
- 窓枠が小さくて済む
- 開閉が可能な大型の窓では、どうしても窓枠部分が大きくなります。はめ殺し窓であれば窓枠部分は小さくて済むので、スッキリしたデザインになります。
しかし、通常と異なり開閉ができないはめ殺し窓にはデメリットもあります。
- 換気ができない
- 空気を通さないので換気ができません。場合によっては家全体の換気システムなどを熟慮する必要も出てきます。
- 掃除が困難
- 開閉できない窓なので、外側が掃除しづらくなります。特に2階でベランダがない壁や天井に設けられている場合は掃除が困難になるので、あらかじめメンテナンス方法を検討しておく必要があります。
- プライバシーと防犯
- 大きなはめ殺し窓にすると外からの視線が防ぎづらくなります。このためはめ殺し窓は中庭などに面して作られることが多いのですが、人目に付きづらい位置に大きな窓があると泥棒が入りやすくなります(ただし最近では防犯フィルムなども市販されています)。
特筆すべきデメリットはやはり防犯面でしょうか。完璧な防犯機能を持った窓はないので、防犯センサーや防犯カメラを併設する必要があるかもしれません。ただし、先に述べたとおり防犯フィルムで窓を打ち破るのに時間がかかるようにする方法もありますし、開閉しないはめ殺し窓を破るには大穴を空けなければいけません。例えばカーテンを併用してあえて通りから目立つ位置に設置すれば、それだけで防犯効果を高めることもできます。