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バリアフリー住宅

国会でも進んだバリアフリー化
2019年の参議院選挙では、重度の身体障害のある2氏が当選したことにより「国会内のバリアフリー化」が話題になりました。皆さんの身近なところでも階段だけだった出入り口にスロープが付いたり、階段しかなかった駅にエレベーターが設置されたりしているのではないかと思います。
住宅の場合は、住んでいる人が年を取るにつれて階段や廊下に手すりを追加したり、玄関の段差を滑らかなスロープにしたりすることが多いと思います。このように後からバリアフリー設備を追加する場合と、あらかじめ建物に設備を備えつけておく場合があり、いずれの場合も「バリアフリー住宅」と呼ばれることがあります。
みんなが安心・安全・快適に暮らせる住まい
一般的にバリアフリー住宅は「高齢者向け設備を備えた住宅」と認識されているのではないかと思いますが、実はバリアフリーは高齢者のためだけのものではありません。小さな子供にも暮らしやすい家を考えたり、家庭内事故を予防したり、生活動線が工夫されていたり、住む人みんなが安心・安全・快適に生活できることを目指すのがバリアフリー住宅なのです。
バリアフリー住宅が注目されるようになったのは、一つには家庭内の「不慮の事故」で亡くなる人の数が多いからです。特に転倒や転落、浴室での溺死などが多く、家庭内での不慮の事故による死亡者数は交通事故による死亡者数をはるかに上回ります。
バリアフリー住宅の実際
バリアフリー住宅には一般戸建住宅から賃貸住宅まで、さまざまな種類があります。代表的なバリアフリー設備には以下のようなものがあります。

・玄関周り
玄関ドアを車椅子が通れる大きさにする。上がり框(かまち)の段差を小さくする。

・居室
敷居の段差をなくす。寝室をトイレに近い場所に設置する。

・廊下
車椅子でも通りやすい幅を確保し、床材は傷などが付きにくい高強度のものにする。手すりなどを付ける。

・扉と照明
扉は引き戸にするかレバーハンドルを備えつける。照明のスイッチはワイドスイッチにして点灯・消灯をしやすくする。

・浴室
手すりを設置して動作を補助する。出入り口の段差をなくす。浴槽はまたぎやすいように高さを調節する。

・トイレ
手すりを設置して体を支えられるようにする。和式トイレは体に負担がかかるので、動作が容易な洋式トイレを設置する。