不動産投資をしていると、ROE(Return on Equity)という言葉に出合うことがあります。ROEは「自己資本利益率」と訳されます。財務指標、あるいは投資指標の1つで、当期純利益を自己資本(株主資本)で割った数値がROEです。そして、自己資本は株主が投下した資本なので、ROEは投資の収益性を示すものとされています。 ROEは企業だけでなく個人にも当てはめることができます。自己資金をどれだけ有効に活用できているかを測る指標がROEになります。
ただし、ROEを重視するかしないかは個人の投資スタイルによって変わります。最初の自己資金が少なければROEは高くなります。投入する自己資金が少なければ非常用の資金を蓄えられますし、次の物件購入にも有利です。短期間で規模を拡大させるには借入を活用して回していく必要があります。しかし、不動産を購入するのに自己資金が少ないということは、借入が多くなり、ローン残高が大きくなるということです。すると金利変動リスク、引いては自己破産リスクが上がります。ROEは、企業においては収益性と経営の効率性を判断するための指標であり、株の金利・利回りだと言われることがありますが、不動産投資においては負債比率が大きいまま買い増しをしていくと、失敗した時に立ち直れないリスクを抱えることにもなりかねません。 不動産投資と資産運用の情報サイト「オッシュ(+Osh!)」のライター・中林準氏は、ROEは必ずしも重視すべきではなく、自分の投資スタイルを再考する際に参考にすべきものとして紹介しています。また、次にご紹介するROA(Return on Asset)と比較することで、その事業が無借金に近いのか、債務超過に陥っているのかなどを判断することもできます。