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FFO

不動産投資信託の収益力を測る
不動産投資信託(REIT)を買うときにまず気になることと言えば価格と利回りだと思いますが、不動産投資信託を評価する方法は他にもあります。FFOはそんな不動産投資信託評価法の一つです。

・分売金利回り
J-REITの場合は半年あるいは年に2回、分配金が支払われます。分売金利回りは投資価格に対して1年間にもらえる分配金の割合です。不動産投資信託の魅力は安定した利回りにあるので、あまりに高い利回り、低い利回りは避けたほうが良いと言われています。

・NAV倍率
J-REITの時価総額が純資産価値の何倍かを示す指標。保有資産から負債を差し引いたものが純資産価値であり、NAV倍率は1倍が基準となります。銘柄が割高か割安かを判断する材料となる指標です。
J-REITの運営では新しく不動産を買う必要があるため、頻繁に増資を行います。NAV倍率が1倍を大きく割り込むということは保有する不動産の時価が低いということであり、資金調達がスムーズにできないことを意味します。逆にNAV倍率が高ければ資金調達がしやすいということになります。

・FFO
FFOは「Funds From Operation」の略称。純利益に減価償却費と不動産の売買損益を加えて算出されるもので、不動産投資信託が賃料収入からどれだけのキャッシュフローを得ているかを示します。このためFFOは不動産投資信託の収益力を示すと言われています。

〈計算式〉
当期純利益 + 減価償却費 +(不動産売却損 – 不動産売却益)= FFO
不動産投資ではキャッシュフローが重要
FFOに関連する指標は他にもあります。

・一口あたりFFO
FFOを不動産投資信託の発行投資口数で割ると「一口あたりFFO」が算出できます。不動産投資信託一口にどれだけの収益力があるかがわかります。

〈計算式〉
FFO ÷ 発行投資口数 = 一口当たりFFO

・FFO倍率
FFO倍率は株式投資で言うところのPER(株価収益率)に相当するもの。FFO倍率が低いほど割安、つまり収益性の高さに比べて市場で評価されていないということになります。

〈計算式〉
FFO倍率 = 投資口価格 ÷ 1口当たりFFO

不動産投資は減価償却ありきなので、キャッシュフローを数値化するFFOも重要視されています。不動産投資信託では減価償却のために会計上の損益とキャッシュフローが大きくずれますが、投資家に支払われる分配金の原資は賃料収入が生み出すキャッシュフローだからです。