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イールドスプレッド

金融商品間の利回りの差
投資利回りと長期借入金利の差をイールドギャップ(yield gap)と呼びますが、同じく「イールド」という言葉を冠する用語にイールドスプレッド(yield spread)があります。yieldとは利回りのこと、spreadは幅などを意味する言葉で、イールドスプレッドとは「金融商品間の利回りの差」「利回り格差」のことです。多くは債券同士の利回りの差を指しますが、債券と株式を比較する際にも用いられます。イールドスプレッドではそれぞれの利回りを比較することにより相対的な割高感・割安感を判断します。
債券同士であれば、一般的に長期国債を基準として、残存期間や信用度から債券利回りの割安・割高を判断します。格付けが高く残存期問の短い債券に比べると、格付けが低く残存期間の長い債券ほど利回りが高くなる傾向があると言います。
長期国債と株式を比較する場合は、長期国債の利回りから株式益の利回りを差し引きます。そのようにして算出されたイールドスプレッドが小さければ株式相場は割安、大きければ割高だと判断されます。また、長期国債利回りと予想配当利回りを比較する際にもイールドスプレッドが用いられています。

〈イールドスプレッドの一般的な求め方〉
イールドスプレッド = 長期国債の利回り - 株式益利回り
・数値が大きい…株式相場が割高、債券投資の方が有利
・数値が小さい…株式相場が割安、株式投資の方が有利

例えば株式に投資するのであれば、長期国債よりもハイリスクな商品なので、高いリターンが期待できる投資である必要があります。
不動産投資の場合は「所有している物件の利回り」と「借入の金利」を比較することで投資の判断材料にすることができます。イールドスプレッドのパーセンテージが上がるほど収益性は良くなります。
相対的な判断をするなら「イールドレシオ」
イールドスプレッドと対になる分析指標に「イールドレシオ」があります。

・イールドレシオ = 長期国債利回り ÷ 株式益利回り

基本的にはイールドレシオが1に近づくほど株式市場が割高だと判断されます。例えば10年物の国債が2%の利回り、株式益利回りが4%であれば、イールドレシオは「2 ÷ 4 = 0.5」です。
イールドスプレッドは「差」という絶対的な数値を求めるものでしたが、イールドレシオは割合を求めるものなので、相対的な判断をすることになります。