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汚染土壌の掘削による土壌汚染の除去

掘削により土壌汚染を除去する
土壌汚染が発見された場合、除去等の措置にはいくつか種類があります。「汚染土壌の掘削による土壌汚染の除去」はその措置の1つです。
地下水が汚染されると健康被害が出る恐れがあります。これを防ぐために汚染土壌の掘削による土壌汚染の除去を行います。また、土壌の直接摂取による健康被害の恐れがある場合にも、汚染土壌の掘削を行うことがあります。
2019年には、土壌汚染対策法の一部を改正する法律を踏まえ、「土壌汚染対策法ガイドライン」が公表されています。同ガイドラインには土壌汚染対策法による措置を実施する場合の考え方、手法、基準などについて記述されており、地方公共団体の行政実務担当者や事業者が措置を講じる場合の参考文書として広く利用されています。
土壌汚染対策法ガイドラインには、次の4種類があります。

第1編…土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン
第2編…汚染土壌の運搬に関するガイドライン
第3編…汚染土壌の処理業に関するガイドライン
第4編…指定調査機関に関するガイドライン
汚染浄化の基本的な考え方
土壌汚染浄化の基本的な考え方としては次の3つがあります(「土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン」より)。

〈区域外処理〉
・区域外処理…掘削した汚染土壌を場外に搬出して処理施設で処理する、もしくは区域外土壌入れ換えを行う

〈区域内処理〉
・オンサイト(on-site)措置…区域内で汚染土壌の掘削を伴う。オンサイトで浄化等をする措置
・原位置(in-site)措置…区域内で行うが汚染土壌の掘削を伴わない。薬液の注入や揚水等をする措置

区域外処理は汚染土壌を掘削するのですべての汚染物質に対処することができ、比較的短期間で処理できます。短所としては施工コストが高額になることが挙げられます。
オンサイト措置は区域内で措置を行うので区域外処理に比べて安価で済み、特に第一種特定有害物質に有効。ただし対象となる汚染物質が限定され、狭隘地での施工は割高になる短所もあります。
原位置措置は掘削が伴わないので安価。やはり第一種特定有害物質に有効ですが、施工期間が長くなりがちで、モニタリングも必要です。また、対象となる汚染物質も限定的となっています。

※第一種特定有害物質…土壌汚染対策法において、人の健康に被害をもたらす恐れが大きいものとして指定された26種類の特定有害物質のうち、揮発性有機化合物に該当する12種類の物質