ファンドと言えば、投資ファンドやヘッジファンドが有名で、基本的には不特定多数の投資家から資金を集めて投資を行い、そのリターンを分配する仕組みのことを言います。もともとは「基金」を意味する言葉だったのですが、現在は特定の金融商品の名前や資産運用会社を指すなど、幅広い意味で使われています。例えば投資信託という概念もファンドに含まれます。
ファンドの一種に「私募ファンド」というものがあります。「プライベートファンド」とも呼ばれ、資金を募る対象者が50人未満のものが当てはまるのだとか。さらに意味を限定して、「市場価格より高い運用実績を上げる」ことを目的にしたファンドは「オポチュニティファンド」と呼ばれます。元本保証はなく、リスクもリターンも投資家に帰属するものとなっています。
オポチュニティファンドの特徴は、比較的安価で取得できること。投資対象を限定せず、運用者に自由な裁量権を与えているので、運用次第でリターンを高めることができます。その代わり、投資対象を限定している投資信託などと比べるとリスクが高いと言われています。つまりハイリスク・ハイリターンの商品だと言えるでしょう。ちなみにREIT(不動産投資信託)同様、もともとはアメリカで普及した商品です。
- 不動産に投資することが多い
- 一般的にオポチュニティファンドでは不動産に対して投資することが多いようです。また、物件取得に関しては競争入札を行わず、独自のルートで安価に取得することが多いと言います(Webサイト「不動産ジャパン」用語集)。安価で取得した物件にレバレッジをかけることでリターンの増加を目指すわけです。なお、この場合「レバレッジをかける」とは、「小さな資金と借金で良い物件を買い、収益性を高める」ことを指します。
ちなみに不動産投資信託はREIT(real estate investment trust)と呼ばれますが、実は「私募REIT」と呼ばれる投資商品もあります。ふつうのREITは証券会社を通じて誰でも売買が可能になっていますが、証券取引所に上場せず、特定の投資家だけを対象として販売される(つまり公募ではなく私的な募集)REITは私募REITと呼ばれるのです。厳密には、不動産投資信託の業界団体である不動産証券化協会が細かい定義を決めています。ただし、資金や借入金を投資家や金融機関から集め、不動産を購入してそこから得られる賃貸料などを元に利益を投資家に配分するという仕組みは、一般的なREITでも私募REITでも変わりません。
(参考:Webサイト「投資信託の投信資料館)