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オーブンレンジ

「レンジ」は英語ではあまり使われない
家具付き賃貸物件には、テレビや冷蔵庫、洗濯機やオーブンレンジなどを備えたものがあります。オーブンレンジは日本人にはお馴染みとなっている調理家電ですが、実はこの名称は和製英語。オーブンと電子レンジの機能を兼ね備えているのでこの呼び名になったのです。
英語では調理器具を指して「range」という語が使われることはあまりありません(「range」は幅、域、範囲といった意味)。ではオーブンレンジを英語で何と呼ぶのかと言うと、「microwave oven」と紹介されていることもありますが、これは電子レンジを意味する言葉。略して「microwave」と呼ばれます。オーブンレンジはアメリカではキッチンカウンターに据え付けになっているものが多く、単に「oven」と呼ばれることが一般的だそうです。
このため英語で日本式の「オーブン機能付き電子レンジ」を表現しようとすると「combination microwave and (gas or electric bar) oven」「microwave toaster oven combo」「microwave convection combo」などと言わなければならないようです。
オーブン、トースター、オーブンレンジの違い
ここでさらに「toaster」という言葉まで出てきたので、混乱する人もいるかと思います。類似の調理器具について整理してみましょう。
オーブンとは熱気と水蒸気を利用して100度以上の高温で食材を蒸し焼きにする調理器具のこと。庫内の温度を一定に保ち、食材にじっくりと熱を加えていきます。予熱機能によって調理前に庫内を温めておくことも可能なので、食材の旨みを逃がさないという特徴があります。
一方、トースターとは熱を直接食材に当てて調理する器具。もともとはパンをトーストすることに特化したものでした。現在ではグラタンなども調理できる平置きタイプのオーブントースターが広く出回っていますが、かつては食パンが焼き上がるとポップアップするものが主流でした。
オーブン機能と電子レンジ機能、そしてグリル機能まで兼ね備えたのがオーブンレンジです。熱源を2つ搭載しており、オーブン・グリルではヒーター、電子レンジではマイクロ波を使います。多様な調理法に対応しているので、調理の幅が広がる調理家電だと言えます。 ただし、オーブンレンジは温めたりじっくり火を通すことを得意とした調理家電で、食材の表面をパリッと焼くのは苦手です。パンなどを短時間で焼くのであれば、ヒーターのみを使うオーブントースターの方が適しています。