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インテリジェントビル

情報を取り扱うのに特化したビル?
ビルと言えば実に様々なビルがありますが、ビルは元々ビルディング=鉄筋コンクリートなどで作った中・高層建築物のこと。この条件を満たせば「ビル」ということになります。しかし中には「インテリジェントビル」と呼ばれるビルが存在します。
アメリカにはCIA(Central Intelligence Agency)=中央情報局という有名な情報機関があるので、「情報を取り扱うのに特化したビル」といったイメージがあるかもしれませんが、インテリジェントビルは直訳すると「賢い建物」という意味。英語ではスマートビル(smartには「気の利いた」という意味がある)と呼ばれることが多いともいい、一言で言えば「高付加価値のオフィスビル」のことをインテリジェントビルと呼んでいるのです。
当初から高度な情報化・自動化に対応したビル
インテリジェントビルは「高度情報化ビル」とも呼ばれます。明確な定義はないのですが、主に次のような特徴を備えていることが多いと言われています。

・高度なITに対応した環境を備えている
・空調、電気、セキュリティなどの設備を自動的に制御できる管理システムを備えている
・建物内に高度な通信ネットワークを最初から組み込んでいる
・OA(オフィスオートメーション)化などに伴う配線の取り回しに配慮した作りになっている
・省エネ、省コストに役立つ

オフィスの電子化技術はオフィスオートメーションと呼ばれ、一部の定型的な業務を自動化・効率化することができます。また、テレコミュニケーション(遠く離れた地域間で無線や有線の回線を利用して行う通信)にも対応します。もっとも最近ではテレワークの普及でZoom会議なども広がってきているおり、インテリジェントビルの一部の機能は自宅にまで持ち込まれる時代になりました。他にも家庭の空調でも自動化が進んだり、スマホなどと連携する家電などの登場により、インテリジェントビルのテクノロジーは一般に浸透しつつあると言えるでしょう。
オフィスビルに求められる新たなバリュー
インテリジェントビルの名称が世の中に出回るようになったのは1980年代の初頭のこと。その後も建物の制御技術は進化を続けています。
一方で、1990年代末頃からインテリジェントビルは次第に供給過剰になっています。これは古いオフィスビルでも改造すればOA化に対応できたり、OA機器の省電力化やネットワーク設備の小型化などによって高度な設備を備えたビルでなくても情報化・自動化することができるようになったからです。また、インテリジェントビルには賃貸物件もあるのですが、インテリジェントビルへの建て替えによって賃貸料増加を狙ったビルオーナーが増えたり、長引く不況による倒産などが増加したことが拍車をかけたと考えられています。現在åのオフィスビルには従来とは異なるバリューが求められているのかもしれません。