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委任状

第三者に手続き等を委任する
委任状とは、一定の事項を特定の者に委任する旨を記載した書面のこと。言い換えれば、本人が行うべき手続きや権利などを第三者に委任する保証書となるものです。目的によって様々なものが考えられます。

・会合などの議事を委任する
・第三者に手続き(銀行や役所など)を依頼する

例えば重要な会合の投票に行けないので議長などに投票権を委任したり、住民票などを取りに行けないので代理人に委任したりします。
ちなみに委任状がなくても委任契約は有効なのですが、委任を受けた人が委任事項を実施する場合は委任状の提出を求められることがあり、その委任状は3ヵ月以内に発行されたものが求められることが多いと言います。法令で定められた効力期間はありませんが、もし日付が古すぎれば「そんな古い委任状では、ちょっと…」などとトラブルになることがあり得るからです。
印鑑と用紙
委任状には手続きによって印鑑、印鑑証明が求められるケースもありますが、民事訴訟法には「私文書は本人またはその代理人の署名または押印があるときは、真正に成立したものと推定する」という規定があります(228条4項)。委任状は「私文書」に当たるので、実は捺印がなくても署名があれば法律上は問題ないのです。しかし、慣習において署名・捺印を要求するのは後日における紛争を防ぐためですので、できれば捺印をしてもらうことが望ましいと言えます。
用紙については特に決まりはありません。コピー用紙やメモ用紙、便箋でもかまいませんが、役所などに行くと委任状の様式を整えた書類が手に入りますので、それを使ってもいいでしょう。
白紙委任状
「投票に行かないのは多数派に白紙委任状を与えるようなものだ」などと言われることがあります。実際には投票後も意見を述べる権利を有するのが民主国家というものですが、それはともかく、できれば「白紙委任状」は発行しない方が良いとされています。「あなたに任せます」と宣言した後で、白紙部分に好き勝手なことを書き込まれてしまう可能性があるからです。ただし、例えば管理組合の総会の決議について白紙委任状が出された場合は、決議する内容は決まっているでしょうから、「決議について管理者にすべてを任せる」という趣旨で委任しても良いでしょう。
基本的な委任状
なお、基本的な委任状の書き方は次のとおりです。

・委任年月日
 委任状に記載する日付は「委任した日」に該当する。
・委任者の氏名・住所
 本人を確定するため、生年月日や電話番号の記載が必要なこともある。
・受任者(代理人)の氏名・住所
 委任者同様、受任者も生年月日や電話番号の記載が必要なことがある。
・委任内容
 できるだけ詳しく具体的に記載する。
・押印
 必要に応じて認印や実印などを押印する。