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違反建築物

法律などに違反している建築物
建築基準法や都市計画法などに違反している建築物のことを「違反建築物」と呼びます。

・建蔽率や容積率の制限を超えている
・斜線制限が守られていない
・建物建築後に敷地の一部を売却した
・吹き抜け部分に床を作って居室にした
・防火上の基準を守っていない
・駐車場として許可を受けた土地の1階を居室に改造した
・用途地域による用途の制限を守っていない
・建築確認など必要な手続きを取っていない
・都市計画区域内で道路に敷地が2メートル以上接していない等々

建築後に増改築や用途変更を行った結果違法になってしまう場合もあります。例えば最初は建蔽率や容積率がきちんと守られていたのに、増築によって違反となってしまうケースなどが考えられます。
違反建築物を特定行政庁が発見した場合は、建物の取り壊しや改築、修繕や使用禁止などの是正命令を出し、違反事実を公示することもできます。さらに緊急の場合は、特定行政庁が任命した建築監視員が工事施工の停止を求めることも可能です。
また、建築確認申請で許可を受けたものと異なる建築物が出来上がってしまっていることもあります。こういった建築物は完了検査で合格できないので、検査自体を実施していないケースがほとんどです。当然、違反建築物は金融機関の融資が受けづらく、売却も難しい物件になってしまうので注意が必要です。最近は国家や自治体などによる取り締まりが強化されていますが、特に古い物件を購入する前には「確認済証」などを確かめたり、専門家に相談してみると良いでしょう。
似て非なる「既存不適格建築物」
先に「建築基準法や都市計画法などに違反している建築物のことを違反建築物と呼ぶ」と説明しましたが、よく似たものに「既存不適格建築物」があります。既存不適格建築物とは、法令の改正や都市計画の変更などによって適法だったものが規定に適合しない=違法になってしまったもののことです。例えば法改正前の旧耐震建築物が既存不適格建築物に該当します。違反建築物とは違って建築時は適法だったので融資が受けられることが多く、使用禁止などの是正命令を受けることはありませんが、再建築する際には現在の規定に適合する必要があります。
不動産業者は違反建築物や既存不適格建築物の売買を仲介する場合は重要事項説明書で説明する義務がありますが、業者の力量によっては見過ごされてしまうこともあり得ます。気になる場合は、先に述べたとおり専門家にインスペクションを依頼すると良いでしょう。