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塩ビ管

ポリ塩化ビニールの管
塩ビ管とはポリ塩化ビニールで作られている管のこと。ポリ塩化ビニールは略して塩ビと呼ばれ、英語ではpolyvinyl chloride(ポリビニル・クロライド)、PVCと略称されます。
塩ビ管は太さ・長さが多種多様で、建設資材や管類などとして幅広く活用されています。
塩ビは五大汎用樹脂(ポリ塩化ビニール、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレ)の1つに数えられています。塩ビには主な特徴として次のようなものがあります。

〈塩ビの長所〉
・耐久性が高い
・耐候性に優れ外部環境での使用にも耐える
・酸やアルカリに強い
・強度が高い
・電気を通さない
・耐薬品性に優れる(有機溶剤などには弱い)
・燃えにくい
・加工しやすい
・着色性に優れプリントも可能
・安価に製造できる

〈塩ビの短所〉
・65℃から85℃で軟化してしまう
・有機溶剤などに弱い
・耐衝撃性が低い

建築資材や管類以外にも、例えばビニールハウスや電源コードの外部皮膜などにも塩ビは使われています。
ポリ塩化ビニールの歴史
塩化ビニールの粉末が発明されたのは1835年のことですが、しばらくは脆くて紫外線に弱い素材でした。その弱点を補うために開発されたのがポリ塩化ビニールであり、1926年にアメリカ合衆国のグッドリッチ社が加工しやすいポリ塩化ビニールを作ることに成功。日本でも1941年から日本窒素肥料(現在のチッソ株式会社)が商品販売を開始しました。
主な塩ビ管の種類
建築において塩ビ管は水道管、下水道管、電線管などに広く使われています。腐食に強く、軽量で施工性が高いために重宝されるのです。
塩ビ管には主に次の4つの種類があります。

・VP管
主に屋内外の給水管、雑排水管として使用される肉厚の塩ビ管。摩擦抵抗が少なくスライム(微生物が生成する粘質物からできる軟泥状の異物)などが付着しづらいため長く使える。
反面、直射日光が当たると内外の温度差により反りが発生しやすい。

・VU管
戸建住宅や簡易な排水設備などで使用される肉薄な塩ビ管。重量は軽いが薄いため中~高圧管には使用することができない。

・HI管
寒冷地や衝撃破損事故の防止目的で使用される塩ビ管。耐衝撃性能と可撓性(かとうせい。しなやかにたわむ性質)を備え、地震に強い管路を作ることができる。ただし高性能な分、値段が高い。

・HT管
給湯配管に用いられる耐久性・保温性に優れた塩ビ管。最高使用温度が90度に設定されている。やはり高い性能の分、コストがかかる。