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通学における「越境」

「越境」とは
「越境」とは「境界線を越えること」「法的に定められた領界を無視して侵入すること」を意味します。物理的に最も移動距離が長いのは「国境越え」かと思いますが、世界を股に掛けるビジネスマンであればそんな「越境」も日常茶飯事かもしれません。一方で身近なところにも「越境」はあります。「通学における越境」もその1つです。
すべての公立小中学校及び一部の公立高等学校については、住所によって通学すべき学校が決められています。「学区の指定」と呼ばれるもので、学区外の学校への入学は原則として認められていません。しかし、一定の事情がある場合は異なる学校に入学することも可能となっており、学区外から認められる通学を「越境通学」と呼びます。
越境通学が認められる事例
「一定の事情」とは、子供にとってその学校に通うことがより良い環境と言える、と判断されるような事情のことです。具体的には次のような事例があります。

・学区の学校でひどいいじめに遭って登校拒否になった
・障がいを持っているので、それに対応した特別支援学級がある学校に通わせたい
・親の職場に近い学校に通わせた方が緊急時に迎えに行きやすい
・親が仕事で不在にすることが多く、下校後に実家で預かってもらうため実家近くの学校に通わせたい
・学校が災害に遭い使えなくなった

このような事情が認められた場合は家を引っ越さなくても学区外に通うことができます。また、子供の卒業間際にマイホームを購入したり学区外に引っ越した場合はこれまで通っていた学校へ通うことが認められるケースもあります。
不動産における「越境物」
身近な「越境」には不動産に関わるものもあります。不動産における「越境」とは、工作物等が隣地境界線や道路境界線を越えている、はみ出している状態のことです。具体的には、ブロック塀、フェンス、エアコンの室外機、出窓、物置などが越境しているケースがあります。また、地中の基礎部分や給排水管、空中にある屋根の庇や電線などがはみ出していることもあります。越境している対象物によって対応策は変わります。
物件を売りに出す場合は事前に調査して越境物がないかどうかを調べておくのがベストです。越境物がある場合は「隣地所有者の土地所有権を侵害している」と見なされます。後々のトラブルを避けるためにも、売買契約が成立する前に越境物を撤去したり、隣地所有者と書面で越境物の処理を決めておいたり、買主に越境物に関する事実を正確に説明することなどが必要です。