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エアコン

最初は冷房のみだった
賃貸住宅を選ぶとき、エアコンの有無を気にする人は多いのではないでしょうか。最近のエアコンは省エネ化も進み、夏・冬の冷房・暖房に大活躍する家電となっています。また、室内の空気温度・湿度調整だけでなく、イオン機能や人感センサー等を搭載した機種も販売されています。イオン機能搭載型であれば、冷暖房が必要ないオフシーズンにも使えます。ちなみにエアコンは英語のAir conditionerの略称で、和製語です。
若い人であればエアコンがある生活は当たり前かもしれませんが、20世紀の後半になるまで一般家庭にはなかなか手の出せない高価なものでした。
基礎技術まで含めれば、エアコン開発には100以上の歴史があります。日本では最初は「空気調整機」と呼ばれ、1935年に国産第1号が生産されました。1958年代には「ルームクーラー」に名称が統一されています。当初はあくまでも「クーラー」だったのです。
当時は高価だったため、ごく少数の劇場や事務所、電車冷房などに使われていました。あるメーカーのサイトによれば、1950年代半ばは高卒サラリーマンの初任給は8,000円程度でしたが、エアコンは24万円。これは高級車に匹敵する価格でした。
初めて冷暖房兼用の機種が発売されたのは1960年のことです。ただし今のように室内機と室外機を分けるセパレート型ではなく、ヒートポンプ式(冷媒ガスの流れを切り替えることで冷房・暖房ができる)でした。また、セパレート型自体は1959年には販売されていましたが、先にも述べたとおり冷房機能しかありませんでした。
しかしその後も技術開発は進み、「ルームクーラー」が「ルームエアコン」に改称され、JIS規格が制定された昭和40(1965)年代から一般家庭にも普及するようになってきたのです。
エアコンでは換気に注意!
エアコンは冷媒ガスを圧縮・減圧することで吸熱を交互に繰り返し、冷媒ガスと接触する空気を暖めたり冷やしたりする仕組みになっています。ただし注意すべきなのは、エアコンには屋外と室内の空気を入れ替える機能はないこと。エアコンは室内の空気を吸い込んで熱交換を行い、部屋の中に戻す仕組みになっています(ごく一部の機種には換気機能あり)。したがって部屋の換気には留意する必要があります。
なお、家庭用エアコンにはセパレート型の他に室内機と室外機を一体化して窓に取り付ける窓付け型がありますが、セパレート型のほうが広く普及しています。